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次の日の放課後もいつもの階段に向かうと昨日聞いたばかりの知ってる声が上から聞こえる
上から………
上?
「僕も一緒に行っていい?」
「わっ!!!昨日のホンジス………」
「なんでフルネームなの笑
ジスって呼んでよ」
「ホンジス………」
「じーす
ほら、呼んで」
「ジス………」
「うん、何?」
満足そうな顔で私を見つめるジス
「………何も無いですけど」
「えー?ないの?そっちが僕の名前呼んだくせに」
「呼んでません呼ばされただけですから!」
「ふーん。
で、なんで敬語なのさ。タメにしてよ。だって僕達友達でしょ?」
え、いつから友達…?ってそんなこと今はどうでもいいんだ
「………はい。あ、うん。」
そう返せばまた昨日みたいに肩を震わせて笑い始めたジス
もうジスなんて!と思いながら足を動かす
「あ、待ってよA。僕も行く」
ちゃっかり私の隣に並んだ彼が一体何者なのかも分からない
だけど今はこのまま誰かなんて知らずに歩いてた方が凄くいい気がして
だから何も聞かない方がきっと都合がいい
とか言って聞いちゃうかもしれないけど
「Aさ、僕が何者か全然聞いてこないんだね」
「そんなこと言われたら聞きたくなるじゃん…」
「知りたい?」
「知りたくない」
「あれ、思ってた返答と違った」
「じゃあ知りたい」
「教えないよ」
「な、」
「ふふっ、ほんと面白いねAって」
笑ってるはずなのに笑ってない
「………ジス?」
「ん?」
なんだろうこの違和感
「ううん、やっぱりなんでもない」
「そう?なら早く行こう」
「うん」
ジスに催促されながら私はまた1歩ずつ歩き出した
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作者名:いぎょむ | 作成日時:2021年9月9日 17時