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「先生、怪我した人がいるんですけどお願いできますか
あれ、先生?」
「いないね」
「嘘………」
保健室に来たはいいもののまさかの先生不在
「先生居ないけどどうしてくれんのAちゃん」
私の後ろに立つ彼が不意に名前を呼んだような気がして勢いよく振り返ると、意外にも彼と私の距離が近くて意識的に目を逸らしてしまう
「なんで私の名前………」
「ネームプレート」
「え?」
「ネームプレートに書いてるじゃん、「ソン A」ってね
見た目に反して可愛い名前じゃん笑」
「は?」
見た目に反してってなによ!
この人さっき会ったばっかりの人にそんなこと言うなんて頭おかしいんじゃない!?
あー、だめだめ。この人なんかに翻弄させられてるようじゃいい大人になんてなれないんだから!
ここはきっと大人の対応をするべき
「ううん、見た目に反して可愛い名前だなんてありがとうございます
で?あなたの名前は?うちの学校の制服着てるくせにネームプレートつけてないんですか!?校則違反ですよ!」
「ぶっ」
今度は肩を震わせて笑い始めた彼
なにかが彼のツボにハマったらしい
「何笑ってるんですか………」
「ううんなんでもないよ笑ただAが面白いだけで笑笑」
「何が面白いって…………はぁ………」
いつの間にか呼び捨てに変わってるしなんかこの人変わってる
「Aのこと気に入ったよ笑
しょうがないから教えてあげる。ホンジスだよ」
「え、何が
あ、ちょっとまっ」
まだしようと思った手当だって出来てないのに保健室の外に足を踏み出した彼
「名前がホンジス」
微笑みながらそう残して去ってしまったホンジスという男
「ホンジスって何者…?」
そう問いかけてみたけど
あたりまえのように私の声だけが静かな保健室に響くだけだった
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作者名:いぎょむ | 作成日時:2021年9月9日 17時