優しいイくんに惚れるまで (ページ45)

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45 なんとも言えないようなページ45

放課後、ソクミンが私の教室に来てこう言った

「A！今日一緒にどっか行かない？」

「今日？」

近くに居たヘナに視線を向けるとソクミンは焦ったように補足する

「あ、もし良かったらの話なんだけど！」

ちょっとだけ耳を赤くしながらそう言ってくるソクミンを可愛いなと思いながらヘナを見ると、

行ってこい！と言わんばかりの眼力で私を見てきた

ヘナの了承も得られたならばYES以外に何か選択肢はあるのか

私はないと思う

「ふふ、いいよ笑」

そう答えてあげるとあなたは太陽かなんかなの？と聞きたくなってしまうほどに明るい笑顔を浮かべる彼

「よかったぁ、断られるかもって思ったんだけど勇気出して良かったよ笑笑」

「私はおじゃま虫みたいだから帰るね！楽しんで〜」

「ありがとうねヘナ」

「いいってことよ！」

ヘナもまた、眩しいほどの笑顔を私達に向けるやいなや颯爽と帰っていった

「じゃあ俺達も行こっか」

「うん、行こう」

ソクミンの声を合図に同じスピードで歩き始めた私達

「今日はどこ行くの？」

「んー、着いてからのお楽しみってやつ」

「そう言われるとますます気になっちゃうね」

「それが狙いだよ笑」

そう言って優しく笑うソクミンに何人の女子が振り返っただろうか

学校の廊下をゆっくり歩く私達にはきっとソクミンのファンであろう女の子達がちらちらとこちらを見ている

私モデルになった気分！なんてふざけたこと考えていると可愛い声がソクミンを引き止める

「ごめん、多分お取り込み中なんだろうけど………ソクミンくんに用があって！話したいことがあるの、だから借りてもいい？」

「あー、えっと、」

戸惑ったように私とその女の子を交互に見つめるソクミン

その動作が忙しくて笑ってしまう

「先そっちの用終わらせて来なよ！私待ってるから」

私もしかして天使なのかもしれないって思ってしまうくらいの笑顔を向けるとごめん、すぐ戻ってくるから！と言って女の子と一緒に消えていくソクミン

消えていくと言ってもすぐそこの空き教室に入っただけで、会話なんてものは普通に聞こえてしまうものだった

暇だなぁ、なんて思いながら壁に寄りかかって待っていると聞き捨てならないワードが耳に飛び込む

「ソクミンくん！ずっと前から好きでした、付き合ってください！！！」

丸聞こえなんだよなぁ…