白情【宮侑】 (ページ34)

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33話ページ34

いつも通りに学校に来て廊下を歩いているとなんだかいつもより視線を感じた

「ウィース…」

「ちょっと治、これ何？」

教室に入ると同じバレー部の角名が珍しく少し焦った顔でスマホの写真を見せながら聞いてきた

「は？何、が…」

写真は俺がAにキスしてるように見える写真やった

これはパン屋の前で話を聞いている時に聞き取りづらいから俺がかがんだだけで、もちろんキスなんてしてない

「いや、俺キスしとらんで」

「だ、だよね。でもみんなこの写真のことは知ってるから誤解を解くんだったら早めの方がいい…」

「おい！写真の女今教室でクラスメイトに囲まれてるぞ！！」

角名の声を遮って男子生徒がみんなに呼びかけた

は？

なんでAが？

「普通責められるんは俺ちゃうん…」

「う～ん、でも女子ってよくわかんないじゃん。好きじゃないけど好きにさせた方が悪いみたいな…ってちょっと！」

角名の言葉を最後まで聞く余裕が俺にはなかった

あかん！あの子はもう十分傷ついた…

今でこそまだ大丈夫やったもののまたなったら…

……………

いや、俺が弱気になってどうすんねん

全て俺がやったことにすればいい…それだけや

俺があの子に話しかけてから始まったことや最後まで自分の力でやりきる。

彼女を護り切る…。