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電話を切って、ふぅ、と一息ついた。
思っている以上に、世間は騒いでいるのだと思う。
高校時代から、楓は人々を魅了してきたのだから。
でもなんだろう。生活が一変する音がしたのに、何も怖くない。
それほどに、私は離れていても、楓に大きな愛をもらっていたからだと気づいた。
楓「……紅葉からラインきてる」
「え?」
楓「アイツもマスコミだしな。楽しんでやがる」
着信履歴しか見ていなかったけれど、ラインの通知を見ると紅葉と譲、彩子、そして高校、大学時代の友人たちからメッセージが届いていた。
ツイッターやら何やらで拡散されていた写真をみたのかもしれないな、と苦笑いしながら1つずつ開けていく。
<隠し撮りでもAは可愛かったわね。楓はボケッとしてたけど。そういえば、おはステでも取り上げるらしいから、見てね♪>
「ふふっ、紅葉は相変わらずだなぁ。……ん?」
楓「ん?」
「おはステで取り上げるって…なんのこと?」
楓「ん?あー…… このネットニュースの感じでやるんじゃねーかな」
楓は自分のスマホの画面を私に見せた。
その題名は、『超イケメンNBAプレイヤー流川楓、帰国早々 美女と密会』。
「…ひっ」
私も同じマスコミ関係者。けれど、私が書く記事はスポーツ関係で、所謂ゴシップは扱わない。
さすがネットニュース記者は仕事が早い。
そして、紅葉が看板アナウンサーを務める情報番組でも報じられるということは。
楓「…Aの顔には流石にモザイク入るだろうけど、シルエットは分かるだろうな」
「こ、こんなボサボサで適当な服なのにっ…!?」
楓「……ははっ!気にするとこ、そこ?」
「だって、悪いことは1つもしてないじゃない。環境は変わってしまうだろうけど、楓が有名になって帰ってきたことは喜ばしいことでしょ?」
楓「――――…ほんと、そういうところも……すげえ好き」
ぎゅうっとベッドの上で抱きしめられて、私の体に楓が着ていたカーディガンを羽織らせてくれた。
そう。これは幸せなこと。
私たちは、何も変わらないのだから。
楓「………環境は、変わる…か」
「え?」
楓「Aは形に拘るタイプじゃないってことは、わかってる。でも、俺からお願いがあるんだけど」
「…?」
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佐々(プロフ) - 一ノ瀬。さん» 一ノ瀬。さま、お優しい言葉ありがとうございます😭❤️誤字脱字等、修正作業週末に行なっていくので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします☺️ (2023年3月12日 9時) (レス) id: cc9ec891f5 (このIDを非表示/違反報告)
一ノ瀬。(プロフ) - 大大大好きな作品です!😭私も三井推しですが、流川もやっぱり良きですよねー🤞佐々様の書く文章は丁寧で大好きです!これからも応援しています💪 (2023年3月11日 18時) (レス) @page50 id: 4ca7f039c9 (このIDを非表示/違反報告)
佐々(プロフ) - 加恋さん» コメントありがとうございます!続編は修正作業中でした、すみません。明日には公開できると思いますので、よろしくお願いします! (2023年1月16日 20時) (レス) id: cc9ec891f5 (このIDを非表示/違反報告)
加恋(プロフ) - いつも素敵な作品読ませていただいてます! 続編のパスワードが分からないので教えていただけると幸いです🙇🏻♀️よろしくお願いします。 (2023年1月15日 10時) (レス) id: 57a60ddf65 (このIDを非表示/違反報告)
佐々(プロフ) - めんだこ。さん» めんだこ。様、コメントありがとうございます!嬉しいです( ; ; )お時間があれば、是非続編も読んでいただけるととても嬉しいです。 (2023年1月9日 21時) (レス) id: cc9ec891f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐々 | 作成日時:2021年2月25日 11時