【wrwrd】できない【shp】 (ページ13)

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さーてぃーんページ13

公園で遊んでいるはずなのに、重そうなリュックを背負って不思議そうに俺を見るコネシマさんがいた

息が整わないまま聞いてみる

正直、早く彼女を探すことしか頭にはない

コネシマさんは少し不満そうに笑って言う

「おれはきょう、じゅくやねん。いまからいくところや」

「そう、だったんですか」

そういえば、彼はお調子者に見えて頭がいいし、提出物を忘れることはない

塾にも通っていたことは知らなかった

「しょっぴくんは、どっかいくん？」

「おれは…」

「いってみてや。このへんしらんやろ？あんないぐらいならできるで」

「いや、おれはいいんで」

早く行かないといけないのはお互い様のはず

俺は彼女を、彼は塾へ

ならばもう分かれて進むべきだ

それなのに、彼はまた、太陽のような笑顔を見せる

「えんりょなんてせんでや！おれたちともだちやん！」

「、はぁ」

息が、苦しくなった

俺はただのクラスメイトで、彼は言わばクラスの人気者

転校生というオプションがついた俺を最初に誘ってくれたクラスメイトも、何度か断れば離れていった

本当は遊びたいし

誘ってくれて嬉しかったし

また誘ってほしい

そんな俺の想いなんて彼らは知る由もなくいなくなった

考えてみれば、彼は唯一、毎日のように俺に話しかけてくれる人だった

ともだちだったんや…

そう、おもってくれとったんや

「おんなのこを、さがしてるんです。むこうのがっこうなのはしってるんですけど、いえがわからなくて」

この人なら、手伝ってくれるのかもしれない

俺が1人で探す必要はないんだから

早く見つかれば

彼女の無事が、早く分かれば

「おんなやったらわかるかもしれへんで！」

「っほんまに！」

「お～ちょっとまってな？」

分かるかもしれないと言ったコネシマさんは、すぐに誰かと連絡を取りはじめた

どうやら彼女と同じ学校の友人を呼んでくれているらしい

随分と近くにいたのか、その友人は数十秒ほどで現れた

「だいせんせー！こっちや。じゃあおれじかんやばいからいくな！」

咄嗟に声も出ないくらいびっくりして、突然走り出した彼の背中を呆然と見つめた

え、しらんひとと、ふたりにされたんやけど

俺はめちゃくちゃに動揺していたが

「なんやねんしっま…え、きみ、だれ？」

相手も同じくらい緊張していたらしい