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とぅえんてぃ_わん ページ21

そんな人が亡くなった

俺の目の前で

その日はちょうど、彼女がひいじいちゃんの家で待っていてと前日に言っていた日で

俺が先に着いて

トイレに行ってからじいちゃんのところに行くことにした

たまたま、通りかかった襖から聞こえてきたのだ


本当に、たまたま


「オヤジ、もう無理です。これ以上は座ってるのも辛いはずです」

「馬鹿言え、折角孫たちが来るってぇのに、俺が病床に伏してどうすんだ。アイツらには元気だって言ってやりてぇんだよ。俺がもうすぐ死ぬなんて、アイツらは知らなくて良いんだ。最後まで、アイツらに見栄張らせてくれ。分かってんだ、俺は今日明日には」

「ど、どうゆうことや!じいちゃん!」


なんで

元気やったのに


襖を無造作に開けて中に入る

じいちゃんは今までの数年間で見たこともないような弱々しい姿をしていた

和室に似つかわしくないベッドに横たわって

傍には薬や注射があって

そう言えば、ここは入ってはいけないと言われていた場所だった

ここには、じいちゃんの弱いところが詰まっていたんだ


死んでまうなんて言わんといて


死を意識した途端に、今まで大きく見えていたじいちゃんが、小さく見えて

なのに、じいちゃんはいつものように笑った


「ショッピ、来たんだな。どうだ、学校は楽しいか?お前もAも来年は3年か。時が経つのは本当にはやい」

「そんなこと!聞いてへんやろじいちゃん。なぁ、長生きしてや?俺、じいちゃんが居らんなんて」


もう、考えられんくなった


だって、じいちゃんは愛してくれる

設定も、何もなく

ロマンなんて語らず

俺を見てくれる


じいちゃんに撫でられるのが好きだ

じいちゃんに名前を呼んでもらうのが好きだ

じいちゃんと一緒にいるのが好きだ

じいちゃんと、Aと一緒に遊ぶのが好きだ


今日明日には、なんて

そんなこと言われても


俺とAは、どうすればええの


「じいちゃん…」


こっちへ来いと手招きをするじいちゃんへ近づく

ぽん、と

いつものように撫でられる

いつもは大きくて頼りになる温かい掌

今日は弱々しい、老人の掌

こんなにも、じいちゃんは歳をとっていた


どうして早く気がつかなかったんや


そんな俺の心を知ってか知らずか、じいちゃんはなお俺の頭を撫でて話す


「すまんな、ショッピ。Aには言わないでくれ。お前はもう知っちまったが…あの子には、笑っていて欲しいんだ」

とぅえんてぃ_つー→←とぅえんてぃ



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名無氏無名(プロフ) - ボロ泣き勢です (2021年8月19日 0時) (レス) id: 7157daf28b (このIDを非表示/違反報告)
私猫(プロフ) - 愛してます((( (2021年4月30日 6時) (レス) id: a5b5a226ba (このIDを非表示/違反報告)
あるか(プロフ) - 私猫さん» いつもありがとうございます!ここまでありがとうございました〜 (2021年4月30日 2時) (レス) id: 361634c89c (このIDを非表示/違反報告)
私猫(プロフ) - さしぶりの投稿お疲れ様です!ショッピさんが思ってることがこんな感じだったんだ…それが良くしれて真面目に好きです (2021年4月17日 21時) (レス) id: a5b5a226ba (このIDを非表示/違反報告)
私猫(プロフ) - あるかさん» あいも変わらず最アンド高でした (2021年3月23日 21時) (レス) id: a5b5a226ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あるか | 作成日時:2021年1月16日 20時

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