９世 ページ9
脱いだ
全然如何わしくない
カケラも
「むしろもうちょいそんな要素があってもええんやない？」
「なに？なんか言った？」
「いえ、言ってないです」
渡されたのはつなぎ
農家の人がよくきてるやつね
これから泥まみれになるのかなぁ
嫌やなぁ
「とりあえず雑草抜きと収穫に行こうか、だいちゃん」
一通り隊員に指示を出したげどちゃんが俺をチラリと見て歩き出す
隊員たちは別の方向に行くんやけど…
しばらく歩き続けると、大きな農場
「うっわぁ！こんなデカなったん、ここ」
「あはは、俺が軍に入ってから広げたんだよ」
「へぇ…」
「どうやって許可とったのか、気にならないの？」
「えぁ、どうやったん？」
野菜も、果物も、穀物も育てられている農場
200年前に作られた時、反対意見が多い中無理やり作物を育てていた為に、何度も何度も荒らされてげどちゃんがキレていたのを覚えている
あの頃は、農場と呼ぶにはおこがましく、家庭菜園というには大きいという程度のものだった
軍の食事を賄うほどの量も取れず、邪魔者扱いされてたけど
こんなに、大きくなって、綺麗に維持されて、軍の食事に出てくるんだなぁ
「10年以内に食事を全て賄えるようにするって約束したんだよ、俺は。出来なかったらぐるちゃんの言うことを一生、なんでも聞くってね」
こうやって、どうにか状況を改善していこうとする奴がいるから、発展していくんや
羨ましい
「すごいなぁ、げどちゃん。結局10年もせずにやり遂げてもうてるやん。俺には出来んよ」
「そうかな」
げどちゃんにハサミを渡されて、お互いに野菜の収穫をしながら話していると、急にこちらを向いて、目を合わせてくる
この目は、嫌いだ
何かを決めた奴の目だ
口が、開かれる
言葉が
音が
「俺に出来て、だいちゃんに出来ないことなんて、無いよ。お前はいつも自分に自信が持てないみたいだけど、そんなことないから。なぁ、実際の所、何がしたいの？」
「や、め」
耳に響く
聞きたくない
いやだ
「お前はいつも演じてるよな？なんで、無能になりたいの？」
音を遮断して
この世界から
お願いだから
もう少しだけ
「だいちゃん！？」
力が抜ける
ハサミが落ちて
げどちゃんの顔が
焦っているような顔で
口が大きく開いているのがわかる
何を、いうてるん？
なぁ、そんな顔せんといて
俺は
「聞こえん、よ」
「だいちゃん、お前…なんで」
俺はすぐに、消えるから
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あるか(プロフ) - ありがとうございます！少しずつ進めていくので気長に待っていてくださると幸いです！！ (2020年8月17日 15時) (
レス) id: 361634c89c (このIDを非表示/違反報告)
優 - 初コメ失礼します！すごい好きです！u_t推しなので最高…！まだ少ししか投稿されてないですが、これからも頑張ってください！応援してます！！！ (2020年8月16日 3時) (レス) id: 455d9d23ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あるか | 作成日時：2020年8月14日 0時
