７世 ページ7
「断言できないのは、だいちゃんがAさんのこと好きだから、じゃないの？」
「ん？」
そんなわけない
俺にとっては彼女はロボロと相思相愛だし
たとえこの時代では俺のことを愛してくれていたとしても、それは俺じゃない
Aちゃんは俺を好きにはならない
「Aちゃんが好きなんは、俺じゃないやんか」
「そう思ったとしても、だいちゃんはAさんが好きなんでしょ？」
俺が、Aちゃんを好きって
それは、200年前の俺？
それとも、200年後の俺？
「知らん。Aちゃんは、ロボロのもんだったし。それにうまくいってるかは、関係ないやん」
「ほら、そうやって、ロボロのせいにするじゃんか。昨日も、今日も、自分の意見じゃない。全部ロボロのせいにしてる。だいちゃん、自分の考えをちゃんと言わないと、後できっと後悔するよ」
後悔？
たとえAちゃんのことが好きでも、後悔はせん
だって、俺はとっくに死んでる
死者がどんだけ恋い焦がれたって、なにも変わらない
ただ虚しいだけやん
「じゃ、朝はこれで終わりだから、小麦粉だけAさんに届けてあげて」
「おっけー、じゃあ一回帰るわ」
「うん。朝ごはんは家で食べてくるんでしょ？食べたらまた来て。Aさんと仲良くしろよ」
おかんか！仲良くするわ！
そう吐き捨てて畜舎を出る
話しながら餌やりは終わっていたし、他の隊員はこれから軍部の食堂で朝ごはんだからここからは1人だけ
なんで一度帰るかというと、この時代の俺はAちゃんと結婚する際、寮を出てパン屋に住み込み、朝と夜は必ず帰り、Aちゃんとご飯を食べると駄々をこねたかららしい
まぁ、こっちとしても男ばかりのむさ苦しい軍部で、ろくに嫁と会えない生活とか耐えられないだろう自分の性格は理解してる
それにしても、どんだけわがままなんやろな、俺の生まれ変わりは
軍というものは生半可な気持ちで入るものじゃない
家族とは二度と会えないという覚悟を持って、国のために尽くす
一緒にご飯を食べて、作戦を練って、訓練をして、やっと、戦闘中のお互いの考え、次の行動がだんだん分かってくる
そうやって、熟練された軍人が戦争で生き残る
それが出来ても、どんなに強くても、命を落とす
嫁ができたからそれを怠る様な事をするなら、辞めさせられても文句は言えない
Aちゃんとロボロが結婚しなかったのも、たまの休み時間に、食事の時間にずっと一緒にいたのも、そのためだから
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あるか(プロフ) - ありがとうございます！少しずつ進めていくので気長に待っていてくださると幸いです！！ (2020年8月17日 15時) (
レス) id: 361634c89c (このIDを非表示/違反報告)
優 - 初コメ失礼します！すごい好きです！u_t推しなので最高…！まだ少ししか投稿されてないですが、これからも頑張ってください！応援してます！！！ (2020年8月16日 3時) (レス) id: 455d9d23ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あるか | 作成日時：2020年8月14日 0時
