31世 ページ31
「なんだと！？何をやっているんだ！」
「それが、急に相手側が強くなったと、伝令が」
「そんなわけがないだろう！向こうの軍は少数精鋭だが、数で押せばなんてことないはずだ！うちの軍は倍以上の人間を使っているんだ、負けるわけがない！」
そうやって、自分勝手に喚き散らして
お前は戦ったことがあんの？
命を賭して戦うって言う意味が、分かっとる？
僕は、分かってなかった
戦場に出て戦ったことがないから、知らなかった
でも、記憶の中の俺が、教えてくれたから
「役立たずが！完璧なはずなんだ、こんなことになるわけがない！負けるわけが、ないんだ」
負ける時は、負ける
どんなに勝ち目があるように見えても
「いままで、どれだけを犠牲にして来たと思っている！？私は全てを捨てて来た！成功すれば一生苦労せずに暮らせると言われたからやって来たんだ、成功すると言われて、全て、言われた通りに進めて来たはずなのに！！」
こんなところで、喚くことしかできないこいつには、到底できないだろうな
自分の望みを通すには、それなりの覚悟と、犠牲がいる
こいつの犠牲にして来たものは他人の命だ
ぐるちゃんだったら、そんなことにならないだろうな
無駄な犠牲なんてない
そりゃ、多少は仕方がないけど
僕みたいに、目的の為に、必要なことなら命を使って欲しい奴が、ちゃんと、意味のある死を
「何もうまくいかないじゃないか、あいつのいうことは、やはり嘘だったのか…」
「ふーん、おもしろい話をしとんな」
「！？誰だ！」
「あいつ、ってのも気になるけど、大先生の傷も気になるから、お前は後や」
あぁ、本当に
「死なしてくれんなぁ」
「何言うとるん、死なせるわけないやん」
「、せやな」
なんで、来たん？
早く帰れや
そうやって、言わなきゃいけない
僕のすべき事は、こいつらに助けてもらう事じゃない
なのに
「ほら、帰るで？」
側近たちの、喚く国王の意識を落とし、こちらを向いて
輝く笑顔で、ゾムが手を差し伸べる
数日前は振り切れたその手を、僕は
「痛かったやろ、帰ったらちゃんと治療したるからな」
二度も
「部下が外で待っとるから、すぐに帰れるで。早よ、Aに会いたいやろ」
「ぞむ、さん」
「ん？」
「ありがとう」
振り払うことなんて、できない
「ええんやで、大先生。お疲れ様」
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あるか(プロフ) - ありがとうございます！少しずつ進めていくので気長に待っていてくださると幸いです！！ (2020年8月17日 15時) (
レス) id: 361634c89c (このIDを非表示/違反報告)
優 - 初コメ失礼します！すごい好きです！u_t推しなので最高…！まだ少ししか投稿されてないですが、これからも頑張ってください！応援してます！！！ (2020年8月16日 3時) (レス) id: 455d9d23ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あるか | 作成日時：2020年8月14日 0時
