25会 ページ25
私の叫びに、何故だか、空気が冷たくなった
なんだろう
すごく、冷たい
寒い
「国など、どうなってもいい？随分と無責任なことを言うな」
地を這うような低音が響いた
体から汗が吹き出し、動けなくなる
「国に対して責任なんて、無いわ」
「そうか」
ぶるり、と震える
鳥肌が立つって、こうゆうことなんだな
「Aさんとではどこか考え方が違うようだな。少し、こちらの言い分を聞いて欲しいのだが。…鬱は軍人だ。この国の軍人は軍に入る際、国のために命を尽くして戦うことを誓う。どんな危険が待っていようと、どんなに罵られようと、俺と交わした約束を守り、今も国を守っているのは、誰だと思う？彼はこの国で最も軍人らしく生きる軍人だ。たとえ国民に認めるものがいなくても、揺るがない事実だ」
晒すことのできない瞳に縫い止められて
心の奥底に響く言葉の一つ一つが私に語りかけてくる
「貴方は、そんな奴を支える者となったのだから、軍人にならねばならない。軍人としての心構えを持って生きなければ、彼を迎える事はできんと思うゾ」
そうなのかもしれない
私は、軽い気持ちで彼と共にいようとしてしまったのかもしれない
きっと、近いうちに帰ってきてくれる彼が
立派な軍人が
帰る場所になるために
変わらないと、いけないのかもしれない
やっぱり、覚悟が、足りなかったのかな
「すみません、失言でした。私は、あの人と一生を共にしたいと、心から思っています。軍人の妻として、彼を待ちます」
「あぁ、そうしてくれると助かる。こちらとしても、大切な幹部を取られているんだ、本気で取り返すつもりだから安心してくれ」
「そう、ですか。お願いします」
脱線も
大声を上げることもあったけれど
よかったのかもしれない
ちゃんと考えてくれているということが分かって
ロボロと鬱さんが信頼している人だもの
大丈夫
彼等はそれから、ロボロからの手紙を置いて家を出て行った
内容は、終始私を元気付けるものだったけど、あまり元気は出なくて
気を遣わせているという罪悪感が勝ったけれど
「…すみません、うちのバカが無神経なことを言って。あんまり気にせんといてくださいね。ただ、ここにおるだけでアイツは帰ってきますから」
先ほど家を出て行く際に、それだけ言ってグルッペンさんについて行ったトントンさんの声は、何故かとても安心できる気がした
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あるか(プロフ) - ありがとうございます！少しずつ進めていくので気長に待っていてくださると幸いです！！ (2020年8月17日 15時) (
レス) id: 361634c89c (このIDを非表示/違反報告)
優 - 初コメ失礼します！すごい好きです！u_t推しなので最高…！まだ少ししか投稿されてないですが、これからも頑張ってください！応援してます！！！ (2020年8月16日 3時) (レス) id: 455d9d23ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あるか | 作成日時：2020年8月14日 0時
