24会 ページ24
分からなかった
自分の大切な人が、何故無能に甘んじていたのか
何のために？
どの要素を、必要とされていたの？
あぁ、まさか
そんなわけがない
でも
彼は、彼なら引き受けるんだよね
「既にわかったのだろうな、貴方は」
わかりたく、ない
もしそうだとして、何故？
何故あの人が
幹部になったのは、なんで？
その命を受けながら、私と結婚したのは
なんでなのか、分からないじゃない
「Aさんの気持ちに負荷をかける事は分かっていた事やねん。それでも、鬱が死んだことにしてしまうよりいいと言ったグルッペンの考えやから、俺たちはここにいるんやで」
だから、なんだって言うの？
この人達が何を思っていようと、鬱さんの身に危険が迫っていることに、変わりはないのに
「さぁ、何だと思う？」
「っ人質に、する為…？」
「ふっ、貴方はなかなか面白い。その通り。彼には無能を演じてもらい、何かある際には真っ先に狙われる役を担わせた」
ニヤリとして
その笑顔が、何故か憎めなくて
あぁ、そうか
彼も、この笑顔にやられたんだ
この笑顔は、そんな気分にさせてしまうんだ
この人は、間違えたりしないと思わせてくる
でも
「っ、私は騙されない！貴方のせいで危険な目に合っているなら、絶対に許さない」
「そうか。構わんゾ、貴方に憎まれようと、恨まれようと、鬱がやると言ってやったことだ。この状況になることが分かった上で本人が覚悟の上で何年も前から、君に出会う前から準備してきた結果だ。お陰で、この国は今も存在している」
ふざけるな
「私が大切にするのは、国じゃない」
「俺が大切にするのは、国だ」
鬱さんの気持ちが、分からない
何も知らない
私を愛してくれていたのか、本当は、暇つぶしだったのか
でも、それでもいい
幸せだったから
他の人を当てがおうとしたり、突然いなくなったりしても
私は、あの人と出会って、確かに幸せな時を過ごしていたから
「部下は大切にしているさ。安心してくれ、国を守るために命を賭けるあの男が、見捨てられる事はない」
「っこの、！」
「グルさん！Aさんも、落ち着いてください」
「落ち着く？この人は、大切にしてくれてないじゃない。貴方たちが来た時、私は鬱さんが仲間に大切にされていたんだと思ったわ。それなのに、貴方たちは、結局国のため。軍人なんて、みんな、みんなみんなおかしいのよ！国なんて、生きてさえいれば！どうなってもいいじゃない！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 145人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あるか(プロフ) - ありがとうございます！少しずつ進めていくので気長に待っていてくださると幸いです！！ (2020年8月17日 15時) (
レス) id: 361634c89c (このIDを非表示/違反報告)
優 - 初コメ失礼します！すごい好きです！u_t推しなので最高…！まだ少ししか投稿されてないですが、これからも頑張ってください！応援してます！！！ (2020年8月16日 3時) (レス) id: 455d9d23ec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あるか | 作成日時：2020年8月14日 0時
