14世 ページ14
「…わかるよ、酷い死に方をした記憶を、忘れることはできないし。それに影響される気持ちもわかる。でも、なんで、記憶がないフリ、200年前の自分のフリをしたのか、教えてくれない？」
「わかる？分からんやろ、僕の記憶は、げどちゃんとは違う。同じ戦争に、参加していたとしても。違う場所で、違う仲間と、違う戦況で！だから、これは」
「お前の見た景色がわかるなんて、言ってないでしょ。知らねぇよ、そんなもん」
げどちゃんの言葉に、びくりと体が反応したのが分かる
話したら、楽になるだろうか
話したら、全てをぶちまけて、怖いとか、心細いとか、そんなことを言えば
どんなに楽になるだろう
嫌なことを人に押し付けて、いらぬ心配をかけて
そんなの、だめだ
そうならないため
何も知らないまま
何も失わないまま
何も起きないまま
幸せに暮らしてほしい
そのために、自分が全てを背負うための
そのための
「なぁ、教えろよ。なんで、あんなことしたの」
知られたら、計画はなかったことになる
今か、数日後か
それだけの違い
…いや、これは
「ふぅ、もう終わりか。早かったなぁ、数十日しか持たんかった」
僕が何をしたかったか
全ては、そうだ
あの日
幹部会議を聞いてしまった日から、始まったんやで
「あの日はな、たまたま家に帰るのが遅くなって、ちょっとお前らに会いに行こうと思ってな？会議してるって言うから、会議室に行ったんや」
そうしたら、幹部が全員揃っていて
僕の名前が聞こえてきた
『大先生が狙われるのは必然や』
『そりゃ、そうかもな』
『でもあいつはそれでええやろ？別に、俺たちは困ってないんだし、狙われてるって言っても、幸い俺らが把握してるんだから、その国潰せば終わりや』
狙われている
要は、この国の弱点であると認識されていると言うことだ
『戦争するって言うことやんな？』
『そうだ』
『でも、俺たちは戦争なんて、したことないねんぞ！』
『準備はしてきた。大丈夫だ、負けることはないだろう』
戦争をする
僕らが準備してきたのは本当だけど、まさかこちらから戦争を起こすん？
『全員一致で賛成だな。大先生に悟られるなよ。もちろん、Aさんにも』
『当たり前や』
『大先生にバレたら足手纏いになりかねんからな』
足手纏い、か
僕はみんなにとって、役立たずの無能
「そのまま家に帰って、いろいろ考えたんよ」
全て話して、教えたら
俺の計画、進めてくれんかな
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あるか(プロフ) - ありがとうございます！少しずつ進めていくので気長に待っていてくださると幸いです！！ (2020年8月17日 15時) (
レス) id: 361634c89c (このIDを非表示/違反報告)
優 - 初コメ失礼します！すごい好きです！u_t推しなので最高…！まだ少ししか投稿されてないですが、これからも頑張ってください！応援してます！！！ (2020年8月16日 3時) (レス) id: 455d9d23ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あるか | 作成日時：2020年8月14日 0時
