50番、 ページ3
;
.
「………っは、ゆう…、せ、な、！？」
ドンッ と地面に響く鈍い音。
押さえつけられている自分の腕。
目の前には、勝ち誇ったような顔で私を見下ろす沙良の姿があった。
.
「ちょっと。………離してよ。」
少し抵抗すると、すかさずがっちりと固定される腕。
由宇「いやー、さぁ？
大事な友達が、こーんな酷いめにあってるとなったら…」
星南「Aちゃんはもっと優しくていい子だと思ってたのに、なぁ……」
……思い出した。
この子ら、いつも沙良と一緒に居る子だ。
この状況からしては、沙良の取り巻きとしか見えないけどね。
沙良「……ねぇ、そろそろ自分がするべきこと、早めにやったほうがいいんじゃない？」
………はい？
こんなことして、早々と許されると？？
「……ちょっと、まだ意味が分かんないかな。
沙良は、私に何をしてほしいの？
山田と一緒に居たことを、謝ればいいの？
謝ったらすぐ済むことで、こんなことするの？」
沙良「『謝る』だけじゃないじゃん。
ふつう、協力するんなら、しゃべるときに気をきかせて代わる、とかさ。
仲良くするならその子もまぜるとか、ね？」
「……そんなことでいいの？
まあ、人任せにする時点でそんなの、絶対に叶わぬ恋だけどね。」
そうでしょ？
.
バンッ
ドンッ
ドゴッ
沙良「〜〜〜っうるさい、うるさい！！！
いっっつもムカつくの！！
知ったかぶりの口調で、偉そうな態度で！！」
「っぐ……」
手当たり次第に、私の身体を蹴 ったり、殴 ったりを繰り返す沙良。
防ごうにも、あの二人に腕を押さえられたままで身動きが上手くとれない。
痛い、痛い。
「……っちょ、…て、やめてよ！ねぇ！？」
沙良「……っ私が先に好きになったの！！
私のほうがあんたより涼介くんのことが好きなの！！」
もう、だめだ。
主力は一人とはいえ、このままでは身体が耐えきれない。
誰でもいい。
誰か、助けて。
.
「………助けて、……山田……ぁ…っ！！！」
.
沙良「！！！
………っだから、いい加減……………」
…
……
………
.
？？「……おい、なにしてんだ。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 48人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：貴山伊咲 x他1人 | 作成日時：2017年11月3日 15時
