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指令4《ショジヒン》 ページ5

私たちは、自己紹介をすることになった。

しかし、当然と言えば当然……警戒している者もいるため、そんなすぐには始まらない。

その状況を見兼ねて、金髪の男は声を上げた。


「んー……警戒してるヤツは後回しでいい。言ってもいいヤツは挙手してくれ」


「ふむ……それではまずは私から行きましょう」


最初に話し始めたのは、怪しげな風貌をしている男。

どうやら、作業着を着た赤毛の女性の知り合いの様子。

そう考えていると、男が話し始める。


「私は三島(ミシマ)和己(カズミ)
とある高校で教師をやっておりますねぇ……ククク」


高校教師……。
ミシマ先生か。


「……私は八分雨(ヤブサメ)澪子(レコ)だ。
……シンガーソングライターだ」

「あ、何かの雑誌で見たことあるぜ!
アンタがあのヤブサメレコ?!」

「……ジョー。今はそんな状況じゃない」

「うっ……!」


改めて、歌手のレコさん。


「……おや、お嬢ちゃんもジョー君の知り合いかい?」


……めんどくさいのに目をつけられた。
……仕方ない、諦めよう。


「……そう。
私は佐藤(サトウ)空(アイ)。
一応高校生だから、お嬢ちゃんはやめて欲しい」

「あ、そうなのー? ごめんね」

「……分かってくれたならいい」


そうしていると、兄さんが声を上げた。


「……私は、佐藤(サトウ)(カイ)
アイの兄で、何の変哲もないシュフです」

「……その後ろの道具はなに……?」

「フライパンに、おたまに、フライ返し……ですね」

「そ、そうじゃなくて……」


「……最初の試練の部屋に置いてあった。
私のスマホショルダーもあったから、持ってきた」


そう。最初の試練の部屋には、私のスマホショルダーだけでなく、兄さんが持っている調理器具も置いてあった。
兄さんは調理器具を見つけるやいなや、あまりにも自然に持っていこうとしていたので驚いたけど。

そして、スマホがあるということは……という、まわりの皆が言いたいことは分かるから、先に言っておこうと思う。


「スマホショルダーは正真正銘私のものだけど、このスマホは違う。
圏外になっているから、助けも呼べない」


「……そうか。それなら仕方ないねー……」


私がそう言うと、皆は明らかに落胆したような表情をする。
……なんだか、申し訳ない気持ちがでてくる。


「……大丈夫ですよ、アイ。
こればっかりは仕方ありません」


……ありがとう、兄さん。

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水菜 燁(プロフ) - Rinoko*@名前変えたいが名前が思いつかんさん» 私、妹設定が大好きなんです……!コメントありがとうございます、とても嬉しいです……!更新、頑張りますね! (2023年5月9日 7時) (レス) id: 8fb4aadd0c (このIDを非表示/違反報告)
Rinoko*@名前変えたいが名前が思いつかん(プロフ) - うわん妹設定めっちゃ好きです……文章も凄く読みやすいですね…!無理しない程度に更新楽しみにしていますー! (2023年5月9日 0時) (レス) id: 71db0bbe64 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水菜 | 作成日時:2023年5月8日 0時

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