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指令16《アナタガソレデイイノナラ》 ページ17

「……カンナさんのお姉さんのことは……残念でした」

「……え?」

「あの時……鍵が一本だけしかなかった我々は、"力ずくでもう一方の拘束を解く他なかった"のです」


その言葉……答えがカンナちゃんにとって意外だったのか、カンナちゃんは首を振って狼狽える。


「……う、ウソです、そんなの……!」

「う、ウソじゃねーって……!」

「カンナちゃん、ウソじゃない。ミシマ先生の言ってることは本当」


カンナちゃんは『ミシマ先生の言葉はウソではない、貴女(カンナちゃん)の姉を助けることは不可能だった』という私の意図を理解することはできているようだった。
でも、納得することは出来なかったようで、「でも、でも……!」という彼女の声が響く。


でも、他のペアは違くても、私と兄さんのペアの鍵が使えずに力ずくで拘束を解いたことは事実。

それに気付いたサラが、カンナちゃんを守るためにカンナちゃんに畳み掛ける。


「ウソじゃない、カンナ。
カンナも聞こえていたハズだ。

『鍵を使うことが出来なかったから、力ずくで拘束を解いた』

カンナのすぐ近くで、カイさんはそう言ったんだ」


カンナちゃんはその言葉に聞き覚えがあるのか、ハッとした。


「……そっか……。そうだったんですね……」

「さしずめ、状況判断と力の試練、といったところでしょうか……。幸い、ナオさんには私が。アイさんにはカイさんが。そしてサラさんにはジョー君がいました。
しかし、姉と妹……女性である二人では、試練を突破することは難しかったのでしょう」


……正直、この選択が、カンナちゃんにとっていいことなのか分からない。
でも、これで彼女が少しでも前を向けるのなら、きっとそれが正解なのだろうと思う。


「…………。
教えてくれて、ありがとうございます」


絶望の黒が渦巻いていたカンナちゃんの瞳には、しっかりと希望の光が灯っていた。


「……カンナさん。
貴女からは、なんというか……愛されているオーラのようなものを感じます。
大切にされてきたんですね……ご両親に、お姉さんに……。

……サラさん、貴女がカンナさんのお姉さんなら、なんて声をかけますか?」


いきなり話を振られて、サラは驚き少しどもったものの、すぐに話し始めた。

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水菜 燁(プロフ) - Rinoko*@名前変えたいが名前が思いつかんさん» 私、妹設定が大好きなんです……!コメントありがとうございます、とても嬉しいです……!更新、頑張りますね! (2023年5月9日 7時) (レス) id: 8fb4aadd0c (このIDを非表示/違反報告)
Rinoko*@名前変えたいが名前が思いつかん(プロフ) - うわん妹設定めっちゃ好きです……文章も凄く読みやすいですね…!無理しない程度に更新楽しみにしていますー! (2023年5月9日 0時) (レス) id: 71db0bbe64 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水菜 | 作成日時:2023年5月8日 0時

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