指令15《シンジツヲモトメテ》 ページ16
「……サラ、ジョー……助けに戻れなくて、ごめんなさい……」
「……あ、ああ……いいんだ、アイ。こうして出てこれたしな」
「サラのお陰でな!」
「……?」
カンナちゃんの様子を心配して出てきたけど、今度はサラの様子がおかしい。
ジョーはいつも通り……というか、腕と足(両方とも作り物)を持っているのが気になる。
サラは……私を怖がっている……?
(……アイ……私の友達で、カイさんの妹……。そしてそのカイさんは私のストーカー……。
嫌でもケイジさんの言葉を思い出してしまう……。
__カイのこと?
__はい。……どう思いますか……?
__んー、あれはタダ者じゃないね。兄妹共々目が死んでる。
__兄妹……アイもですか?
__ああ、あれはきっと何人か殺してるね……カイか、アイちゃんか……はたまた両方か……。
__……アイは違います! あの子は私の友達です!
__それだけならいいんだけどねー……。
……アイが人殺しな訳がない、アイとカイさんが共謀して私のストーカーをしていた訳がない。
アイ……本当に、信じていいんだよな……?)
「サラ」
「へっ?! ……アイ、どうしたんだ?」
「カンナちゃんがサラに話だって」
話しやすいように、カンナをサラの前に行くように促す。
「……あの、アイさんも一緒に聞いてくれませんか……?」
「……? 分かった」
カンナちゃんはありがとうございます、と一声置くと話し始めた。
「……あの、あの時カンナはお話あんまりよく聞いてなかったんですけど……カンナの試練、ベッドに括り付けられてて、鍵を使う試練だったんです。
確かサラさんもアイさんもカンナと同じ試練だったんですよね……?」
「ああ、そうだが……?」
「本当のことを教えて下さい。カンナは……本当なら、カンナはあのとき、お姉ちゃんを助けることが出来たんですか……?」
……返答に困る質問だった。きっとサラもそう思ったのだろう。
……真実を言おう。
貴女の姉は助けることができた、と。
そう言おうと思って口を開いたけど、サラでもカンナちゃんでも、当然私でもない人物の声が聞こえた。
「おやおや、珍しい組み合わせですねぇ」
その声は、ナオさんの恩師である高校教師、ミシマ先生の声だった。
カンナちゃんは、ミシマ先生も同じ試練だったということに気が付いたのか、すぐさまミシマ先生にも同じことを聞く。
「……カンナは……! カンナは……お姉ちゃんを助けられたんですか……?」
話し始めたミシマ先生の言葉は、とても温かい
指令16《アナタガソレデイイノナラ》→←指令14《フタリハウソツキ》
20人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
水菜 燁(プロフ) - Rinoko*@名前変えたいが名前が思いつかんさん» 私、妹設定が大好きなんです……!コメントありがとうございます、とても嬉しいです……!更新、頑張りますね! (2023年5月9日 7時) (レス) id: 8fb4aadd0c (このIDを非表示/違反報告)
Rinoko*@名前変えたいが名前が思いつかん(プロフ) - うわん妹設定めっちゃ好きです……文章も凄く読みやすいですね…!無理しない程度に更新楽しみにしていますー! (2023年5月9日 0時) (レス) id: 71db0bbe64 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:水菜 | 作成日時:2023年5月8日 0時