指令11《リボルバー》 ページ12
青色の扉の先には、八脚のイスと、人物がひとり描かれた大きな絵画。
八脚あるイスのうち、半分の四脚にはぐったりした姿勢の人形が座っている。
既にこの部屋にいたジョーとケイジさんと合流し、私たちは青い扉の部屋を探索することになった。
でもわざわざ調べるような物がたくさんある訳でもなく、私たちは半ば示し合わせたかのように別れた。
私と兄さんがイスに座っている人形を調べ始めたタイミングで、もう一組この部屋に入ってきた。
サラとシン(仮)。
「アイ」
「……サラ……貴女と、シ__あのニット帽の人もここに来たんだ」
「ああ……で、アイとカイさんはその人形に何を……?」
「……この人形、頭の方から"チャプン……"と音がするんです」
サラは情報が入った、というスイッチが入ったのか、瞳に鋭い光が灯る。
「……何か、液体が入っているのかも……」
でも、たかが人形にたいした情報は無い、ということを既に人形をある程度調べていた私や兄さんには分かっていたので、そのまま流すことにした。
「いえ、これは『喉が渇いたら
「……複数用意された人形……どれも中に液体が入っていた。
……もしかしたら、この中身はどれも種類が違う飲み物で、好きな飲み物を飲めるようにしているのかもしれない」
「……えっ……と……」
「「…………」」
「冗談」「冗談です」
(……つ、掴みどころがない……! この二人……!
……この兄にしてこの妹あり、ということか……)
サラが私たちの傍から離れた頃合いを見計らって、イスと人形の間に隠しておいたリボルバーを取り出す。
「……兄さん……。
まさか……組織は
「……もし、もしもそうだとしたら……」
そのまま兄さんは口を噤んでしまった。
当たり前のこと。
口に出すのも恐ろしいその言葉を紡ぎたいと思う人間はいないだろう。
__組織には、殺したい人間と殺したくない人間がいる。
この結論に違和感はあってもそうとしか考えられない……。
少ない情報の中でも考える。
仮にリボルバー……というか銃を使って殺し合いをするなら、有利な人間はおのずと絞られる。
__組織に暗殺者として育てられた私と兄さん……そして、警察官のケイジさん。
……どうにかして人死には回避しないといけない。
__私には、やりたいことがあるのだから。
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水菜 燁(プロフ) - Rinoko*@名前変えたいが名前が思いつかんさん» 私、妹設定が大好きなんです……!コメントありがとうございます、とても嬉しいです……!更新、頑張りますね! (2023年5月9日 7時) (レス) id: 8fb4aadd0c (このIDを非表示/違反報告)
Rinoko*@名前変えたいが名前が思いつかん(プロフ) - うわん妹設定めっちゃ好きです……文章も凄く読みやすいですね…!無理しない程度に更新楽しみにしていますー! (2023年5月9日 0時) (レス) id: 71db0bbe64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水菜 | 作成日時:2023年5月8日 0時