67話 ページ7
「教えろ太宰!彼女が撃たれて死ぬことが正しいことなのか!こんなものが俺の求める理想の世界なのか……!」
「国木田君、何処かに正しい理想の世界があると考える人が理想の通りにならない世界を憎み、周囲を傷付ける……《蒼王》がそうだった。理想や正しさを貫いて傷付くのは、周囲の弱い人間なんだ」
太宰の口から紡がれた言葉が、俺の頭に流れ込む。
「正しさとは武器だ。それは傷付けることは出来ても、守り救済することは出来ない」
そう……なのかもしれない。でも、俺は……
「君が理想の世界を求め続ける限り、いつか君にも《蒼王》の炎が宿るだろう。そして周囲ごと焼き尽くす」
「それでも!それでも突き進んでやる!俺の理想をナメるなよ……!」
俺と太宰の視線が交差する。
すすり泣く声が聞こえた。見ると、Aが佐々城女史の遺体に手を合わせている。
『ごめんなさい…………私には……』
「出来ることなどなかった、そう言いたいのかい?」
『太宰さん……』
「全く君という子は……」
太宰がAをそっと抱きしめる。
『太宰、さ……ッ!』
Aは暫くの間太宰の胸に顔を埋めて泣いていた。
こうして、俺と太宰とAが初めて組んだ大きな事件は幕を閉じた。
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ゆくら(プロフ) - ありがとうございます! (2019年5月7日 6時) (レス) id: c78b11d060 (このIDを非表示/違反報告)
風寧 - ゆくらさん» わわ、ホントですか!?めっちゃ嬉しいです!長めになるので本編の方で書きますね! (2019年5月6日 17時) (レス) id: 197fba33a1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆくら(プロフ) - この続編、私書いてみたいんですけど、設定もらってもいいですか? (2019年5月6日 15時) (レス) id: 9352010f92 (このIDを非表示/違反報告)
風寧 - りんさん» そうでしたか!今回も素晴らしかったですよ〜、早く読めるといいですね! (2019年5月2日 0時) (レス) id: 197fba33a1 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - まだ読んでない(゜ロ゜) (2019年5月1日 16時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風寧 | 作成日時:2019年4月6日 15時