63話 ページ1
国木田side
事件も終わり、雑務にあけくれる今日。
太宰とAは事務仕事を察したのか「調べものがある」と言って逃げた。
「国木田」
社長に呼ばれる。
「宿題の答えは出たか」
太宰とAの入社試験。
「あの2人は最悪です。先輩の命令は無視する、職務中にふらりと消える、力仕事が嫌いで事務仕事は怠ける」
俺はそこで一息つき、用意していた言葉を口に出す。
「ですが、探偵として見ればあの2人は最高の逸材です。2人共、合格です」
社長は書類に筆を走らせ、2人の入社を認める印を押した。
「ところで社長、もし宜しければ午後は請暇したいのですが」
「構わぬ、何か用か?」
「少し、所用で」
俺が向かったのは、湾岸を見下ろす小さな墓地。
「犠牲となった方の墓参りですか、国木田様」
佐々城女史が言った。
俺が献花したのは、例の失踪事件で犠牲になった者の墓だった。
「国木田様、私は先般の件で1つ嘘をつきました。別れた恋人とは、死別したのです。
理想に燃える人でした。私に愛の言葉を囁くこともなく、1人逝きました」
「そうか」
俺には慰めの言葉などかけられない。
佐々城女史と別れると、Aから電話があった。
『国木田さん、ちょっと来てほしいんですけど』
Aの声はいつになく真剣だった。
それでいて、怯えを感じた。
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ゆくら(プロフ) - ありがとうございます! (2019年5月7日 6時) (レス) id: c78b11d060 (このIDを非表示/違反報告)
風寧 - ゆくらさん» わわ、ホントですか!?めっちゃ嬉しいです!長めになるので本編の方で書きますね! (2019年5月6日 17時) (レス) id: 197fba33a1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆくら(プロフ) - この続編、私書いてみたいんですけど、設定もらってもいいですか? (2019年5月6日 15時) (レス) id: 9352010f92 (このIDを非表示/違反報告)
風寧 - りんさん» そうでしたか!今回も素晴らしかったですよ〜、早く読めるといいですね! (2019年5月2日 0時) (レス) id: 197fba33a1 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - まだ読んでない(゜ロ゜) (2019年5月1日 16時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風寧 | 作成日時:2019年4月6日 15時