確かに恋だった［YouTuber短編集］

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見慣れた車が裏口に止まってウインカーがチカチカと立っている。小走りに車に近寄って助手席のドアを開けると、「遅くなってごめん」とエイジが頬に温かいココアを差し出してくれた。

「んーん、全然！エイジは近くにいたの？」

「まあ、そんなとこ」

「そっか、ありがとうね助かったよ」

そんなエイジをふと見ると、服はよく着ている寝巻きの上にジャンバーで普段家でしかしない眼鏡をかけている。


「……もしかして、家にいたの？」

あたしがそう呟いたら、エイジは少し目を丸くして

「……急に雨降ってきたし、夜遅いよなーって思って…」

言いづらそうに小さな声で呟いた。何これ、最高に幸せであたしって凄く愛されてるんじゃない。

「ねえ、エイジ」

「ん？」

「大好き！」


溢れ出た思いをありのまま伝えたあたしに、また一瞬驚いたように目を丸くして照れたように俯いたエイジは、「…知ってる」と呟いてあたしの右手に自分の左手を重ねてきた。またその行為が嬉しくてぎゅっと手を握り返すと「子供みたいだな」とからかわれて、ふと横を見ればエイジも笑っていて。言葉にしなくても二人の手から好きが出てるみたいで、こんなに愛が伝わるなら雨の日も悪くないなって思った帰り道。

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(困ったらどこでも俺を呼ぶこと)
(なんかエイジ、お父さんみたい)

作者より→←雨だって悪くない(Eiji)

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