確かに恋だった［YouTuber短編集］

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映画はアメリカのラブコメディでありきたりな展開に見えるけれど、予想がつかないシーンにドギマギさせられる。主人公の二人が恋に落ちて行く姿はとても綺麗で、空の選ぶセンスは間違いないなと感心させられていたら、突然ラブシーンが始まった。中々に濃厚なキスシーンが画面上に映し出されてあたしは居ても立っても居られなくなる。増してやこんな状況で好きな人と観るにはあまりにも刺激が強い内容だった。


「ねえ、A」

突然空に話しかけられて、ビクッと身体が動いた。ラブシーンはまだ終わらない。


「……俺今ドキドキしてるんだけど」



「Aもしてる？」



ギュッと手が絡んで来て、肩にトン、と重みが乗った。恐る恐る空を見ると、上目遣いでこっちを見ている。部屋の明かりが暗くて良かった。あたし、きっと今考えられないくらい顔が赤い。



「……こんなシーンあるって分かってたの？」


「俺、これ観たことあるからね」



「空のいじわっ」


グッと力が加えられて言葉を遮るようにキスをされる。驚いて動けなくなるあたしを御構い無しに、どんどんキスは降ってきてねじ込まれるように口内に舌が入り込んで来た。息をするのも忘れるくらいにキスに集中させられてあたしはもう思考回路が停止する。気付けば視界は空でいっぱいで、心臓が張り裂けそうなくらいにうるさかった。



「………作戦大成功？」

そう笑った空は、さっきも見た子供のような笑顔をしているのに今の状況はちっとも可愛くない。重なる唇と指先がもっと厭らしく感じて身体が熱くなるのを感じた。ああ、このまま流されてもいいのかな。あたしたちもう前には戻れないのかな。それでもやっぱり空には勝てない。流れる映画を横目に、落ちてくるキスを身体いっぱいに受け入れた。


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(まるで映画のワンシーンのような)

ずるいね(Ryo)→←唇から伝染する(Sora)

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