くさいセリフは言えないけれど(Turime) ページ16
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「空のこと好きだったんだけどなあ」
あたしの呟いた言葉が嫌に響く午前2時。チクタクと時計の針の音が響くこの家にはあたしとみっくん。「振られちゃった」といきなり電話越しで泣きついたあたしに、みっくんは急いで駆けつけてきてくれた。散々泣いて泣いて話を聞いてもらって、少しは落ち着いて。今に至る
「俺はお似合いだと思ってたんだけど」
「それ周りにも言われた。地味に傷つくやつ」
「本当にそう思ってたんだけどね」
ソファの上で胡座をかくみっくんは少し困った顔であたしに笑った。ずっと空が好きだった。もう何年も好きで好きで、いつもキラキラして太陽みたいな空のことずっとみてきた。よく一緒に遊びにも出かけていたし、彼らの住むアバハウスだって何度も行ったこともある。だけど
「ごめん、俺Aのことは好きだけど、友達としてしか見れない」
今もリアルに言われた台詞が頭に響いて離れない。空は本当に困った顔をして、それでいて優しく笑ってくれた。想いを伝えたからって何かが変わると期待した訳じゃないけれど、そう簡単に長く想っていた気持ちは無くならない
「みっくん、ありがとね」
「大丈夫。でもAから泣いて電話かかってきた時は本当にびっくりした」
みっくんは唯一、メンバーの中であたしの話をいつも密かに聞いてくれた人。男友達として空と同じくらいの付き合いで、彼の優しさに何度も救われた。今日だってそう、急いで駆けつけてくれたみっくんは何も言わずにずっと泣き喚くあたしを慰めてくれた。
「…こういう時ってさ、上手いこと言えないんだけど」
急に話を変えたみっくんは、机に置いてあったグラスを持って氷をカランカラン、とかき混ぜながら少し真剣な顔をする
「俺にしときなよ、とか言えたらかっこいいのにね」
みっくんは少し照れた顔であたしを見て笑った。彼なりの慰めなんだろう。なんだか可愛く思えて釣られてあたしも笑って「何だかみっくんらしくない台詞」と呟いた。
「俺もそう思う…なんか恥ずかしいな」
みっくんの不器用だけど優しい気持ちが充分に伝わってくる。あんなにさっきまで泣いていたのに、少しだけ心が軽くなった気がして今は些細なことで笑えている。みっくんて凄い。
「でも、何でも言ってね。俺が出来ることは絶対助ける」
「うん、ありがとう。みっくんも」
約束、と指切りげんまんをしたあたし達はまた顔を見合わせて笑った。
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(男友達だって悪くない)
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えむ(プロフ) - はるさきすさん» はるさきす様、いつも読んで頂きありがとうございます!としくん書きたいと思っていたので是非書かせて頂きます!(*'.'*) (2019年3月29日 0時) (レス) id: 26f2f6b568 (このIDを非表示/違反報告)
はるさきす(プロフ) - いつも楽しく拝見しています!突然ですがリクエストすいませんm(_ _)m東海オンエアのとしみつくんでお話書いて頂きたいです(´;ω;`)これからも更新楽しみに待ってます! (2019年3月28日 23時) (レス) id: 55a2846b5d (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - 莉乃さん» 莉乃様コメントわざわざありがとうございます。上記のYouTuber様のみを受け付けていまして、申し訳ないのですが私の技量ではまるくんを書くことができないです(;_;)本当に申し訳ありません!これからも宜しくお願いします。 (2019年3月25日 23時) (レス) id: 26f2f6b568 (このIDを非表示/違反報告)
莉乃(プロフ) - この作品とてもすきです!!リクエストでよければレペゼン地球のまるくんをお願いしたいです!これからも頑張ってください^^* (2019年3月25日 21時) (レス) id: be24bfa3fd (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - 友梨奈さん» 様が抜けてしまい申し訳ございませんヽ(;▽;) (2019年3月4日 21時) (レス) id: 26f2f6b568 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えむ | 作成日時:2018年8月9日 10時