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血色の髪の人 ページ35

月の光がぼんやりと窓の硝子を通して照らす廊下を、エルキドゥさんに抱えられながら進む。

エルキドゥ「大丈夫かい?」
A「あっ…はい!怪我もなく無事です!」

私はエルキドゥさんに向かって、今にも裏返りそうになる声を抑え、しっかりと返事をする。
返事を終え、月の明かりに照らされた中庭へ、ふと視線を向ける。

すると、日常的に見ていた背景に対して、疑問を覚えた。

青白い月に照らされた中庭に、どうして、茜色というのだろうか、深紅色ともいうのだろうか。
けれど、綺麗で穏やかな表現をするには、あまりにも遠回しな言葉を選ばざるを得ない。

見た通りを、そのままを言葉にしてしまうとしたら、それは

A「…血…の、色?」

人が、立っている。
後ろを向いていて顔はよくわからない、何故なら笠を被っているのだ。
さらには、膝くらいまで伸びた《血》を浴びたかのような髪が風に揺られていた。

A「…ぇ、エルキドゥさん…あれ」

私は《その人》から目を離せず、抱えてくれているエルキドゥさんの胸元の服を、軽く引っ張る。

エルキドゥ「うん、そろそろ…だろうね」
A「えっ…」

エルキドゥさんに視線を移し、また、月に照らされた中庭へ視線を戻すと

A「い、ない…?」

先程まで、確かに誰かが中庭に居たはずなのに、何故か、居ない。
一瞬のことで呆然としていると、そろそろ離れにある私の部屋に到着する、はずだったが、エルキドゥさんが足を止め

エルキドゥ「…そこを…退いてくれるかな?」

エルキドゥさんの突然の言葉に、私は視線を中庭から廊下へと移すと

居た。

先程まで、月明かりに照らされた中庭に居たはずの、血の髪の人が目の前に片膝をつけ、廊下の真ん中に居た。

「…お初にお目にかかります」

この緊迫しているであろう状況で、挨拶をしてきた。

あまりの出来事に、一瞬呆然としたものの挨拶をしてくれたのなら、こちらも挨拶しなければいけないと思い

A「えっ、あっ、ご丁寧にありがとうございます…!は、初めまして!」

エルキドゥさんに抱えられたまま、私は軽く頭を下げて挨拶をした。
すると、私の言葉に反応して血の髪の人は立ち上がると

「…貴女が、AAさんですか?」
A「そう…です。どちら様ですか?」

このような知り合いは居ないもので疑問を持った。

「私は…岡田以蔵と申します。」

そう言うと血の瞳は私の姿を映した。

天誅の名人…?(土佐弁あやふやでごめんなさい)→←始まり



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エリ(プロフ) - とても面白いです、続き楽しみにしてます! (2019年5月4日 0時) (レス) id: 5baed310b5 (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - やばい。この小説好き... (2019年3月14日 13時) (レス) id: b694bcfcdf (このIDを非表示/違反報告)
狼さん(プロフ) - ディオスさん» なるほど。理解しました。 (2018年10月1日 23時) (レス) id: 91f111e327 (このIDを非表示/違反報告)
ディオス(プロフ) - 狼さんさん» ですので、個人的な解釈では標準語も場合によっては話せると感じましたので、標準語で喋っている場面があります。長文失礼致しました。 (2018年9月30日 8時) (レス) id: bacfa85028 (このIDを非表示/違反報告)
ディオス(プロフ) - 狼さんさん» コメありがとうございます。FGOで実装されております岡田以蔵と同じにはしております。見た目に関しては第二再臨のお姿。標準語なのは6月に開催された帝都イベの際、岡田以蔵が実際に「ごめんください。こちら坂本さんのお宅で?そりゃあ好都合」と話し、それを参考に。 (2018年9月30日 7時) (レス) id: bacfa85028 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ディオス | 作成日時:2017年11月22日 2時

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