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全ての買い物を終え、私は買い物袋を両手に抱えてお店を出た。
すると、少し離れたところにエナジードリンク片手に佇む男が視界に入る。
チラッとマダムの“あらやだ美少年じゃない”発言が耳に入り、マダムの能天気さに反吐が出るのを必死に我慢して、再度男を見た。
あれは間違いなく、私の夫だ。戸籍上だけの。
何してんの、ほんと。
バレないうちに反対側にある出入口から出ようとも思ったが、彼の佇まいがまるで帰らぬ主人を待つ子犬のようで躊躇われる。
私が出てくるまで待ってるつもりだろうか。
…。
あ〜もう！
「ねぇ、もう用事ないの？
だったら持って欲しいんだけど」
別に、彼が可哀想だとか許したとか、そんなんじゃないから。
ただ、冷凍食品10倍だとか、安売りの牛乳だとか、買いすぎて重たいからだ。
そう、ただ私が楽をしたいだけなんだから。
「んはは。お易い御用ですよ、姫」
「ふん。妻と姫を一緒にしないでくれる？」
「姫ってそーゆー姫ちゃうんやけどなぁ」
重たい方を押し付けようと左手を差し出したら、左手にエナジードリンクを持たされ、ついでに右手の荷物も奪われてしまった。
半分ほど残っているようだった。
「……体に悪いって何度言ったら分かるの」
「んー？心配してくれてるん？」
「別に？未亡人になりたくないだけ」
不謹慎ではあるが、お葬式とかあげたくないってのも本音かもしれない。
あと多分、離婚しなかったら同じ墓に入りそうでそれが何よりも嫌だ。
同じ墓に入るとか死んでもごめん！！
「優しいよな、Aちゃんって」
「っ、…。今更気付いたの？」
軽い微笑を浮かべる彼の瞳が、ふわふわした口調とは裏腹に真剣な色を帯びている。
夕日も相俟って、まるでドラマのワンシーンだ。
危うく騙されるところだった。
ホストってテクいから嫌なんだよね…。
それからは特に話すこともなく、次に耳が騒がしくなったのはマンションの廊下を歩いている時だった。
どこからかほんのり、スパイシーな香りが鼻腔を擽ったのだ。
食欲をそそられるその匂いに、私はつい思わず声を漏らした。
「やっぱり、カレーにしようかな……」
「んふふ、Aちゃん可愛ええ」
「黙って」
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チワワ(プロフ) - Sideだと思いますsaidじゃなくて (12月7日 1時) (
レス) @page10 id: 98e7d80620 (このIDを非表示/違反報告)
ねお - すっごく面白くて何度も見てます！！！更新楽しみにしています！！ (2023年3月27日 10時) (レス) @page14 id: b5c83b1559 (このIDを非表示/違反報告)
4 - 凄く面白いです〜これからも頑張ってください💗 (2023年2月26日 23時) (レス) @page11 id: 764f1e81ac (このIDを非表示/違反報告)
ぱそぱそ - 最高1位もおめでとうございます！！ (2023年2月25日 21時) (レス) id: 681f5dec5d (このIDを非表示/違反報告)
ぱそぱそ - 新作嬉しいです！他の作品とは雰囲気が違っていて、でもすごく面白いです！5年間の詳しいエピソードだとか、fwの思いだとか……続きが楽しみです！！🥰 (2023年2月25日 21時) (レス) id: 681f5dec5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桃瀬 | 作成日時：2023年2月24日 18時
