_ ページ4
.
朝を知るより先に、私は違和感を覚えて目を覚ました。
視界に飛び込んできたのはとんでもない美形。
私は悲鳴をあげた。
「なんっであんたがここにいるの！！」
「んー、？」
ふわぁ、と呑気に欠伸と背伸びをして私の名前を呼ぶ男を、私は睨みつけた。
昨夜、初めてまともに言い合った結果、私は3ヶ月の猶予を与えた。
3ヶ月経っても彼の態度や私の気持ちが変わらなければ離婚すると約束をした。ちゃんとボイスメモにも録音したので裁判でも勝てる。
離婚がなぜ嫌なのかは分からないが、意外にも彼も頑固なもので私が折れなくてはこのまま一生玄関で過ごす事になりそうだったので、仕方なくだ。
不本意ながらも、3ヶ月待つことにした。
5年待った私にまた3ヶ月待てというのかと思ったが、まぁ、あと3ヶ月で自由を手に入れられるのならばお易い御用だ。
って、そんなことよりも。
「なんで私の部屋にあんたがいるの！？」
「前まで一緒に寝てたやん」
「前って…4年前の話！
次、部屋に入ってきたら訴えるから。早く出てって！」
残念なことに私の力ではこの男を追い出すことはできないので、布団やクッションなどで彼の顔を叩いた。
流石にキレるかな〜と思ったが、なんと彼は笑っていた。
ふんにゃり笑っているのだ。
「きっ……。
はぁ、もういいや。布団整えてて」
「あぇ？どこ行くん？まだ8時やけど」
「8時だからご飯作ったり洗濯したり掃除したりあるんですけど」
「んは、奥さんみたい」
「んなっ、〜〜！
いいもん寝るし！今後一切家事なんてしませんからね！」
ほんっとに腹が立つ。
こちとら毎日毎日貴方のために朝早く起きたりだとか、生理痛でしんどくても洗濯したり頑張ってたんですが！
それなのにあんな言い方されて…。まるでこれっぽっちも私の努力知らないじゃない。
おまけに奥さんみたいだと言われた。
言われてしまった手前、本当に家事をしてしまうと彼の奥さんだと自他ともに認められる様な気がして、私はもう一度布団に潜った。
別に、ムキになったわけではない。
合理的に考えた結果だ。
彼や私自身に奥さんだなんて思われたくない。
「おやす＿＿」
「抱きつかないで。あんたは床で寝て」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1472人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
チワワ(プロフ) - Sideだと思いますsaidじゃなくて (12月7日 1時) (
レス) @page10 id: 98e7d80620 (このIDを非表示/違反報告)
ねお - すっごく面白くて何度も見てます！！！更新楽しみにしています！！ (2023年3月27日 10時) (レス) @page14 id: b5c83b1559 (このIDを非表示/違反報告)
4 - 凄く面白いです〜これからも頑張ってください💗 (2023年2月26日 23時) (レス) @page11 id: 764f1e81ac (このIDを非表示/違反報告)
ぱそぱそ - 最高1位もおめでとうございます！！ (2023年2月25日 21時) (レス) id: 681f5dec5d (このIDを非表示/違反報告)
ぱそぱそ - 新作嬉しいです！他の作品とは雰囲気が違っていて、でもすごく面白いです！5年間の詳しいエピソードだとか、fwの思いだとか……続きが楽しみです！！🥰 (2023年2月25日 21時) (レス) id: 681f5dec5d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桃瀬 | 作成日時：2023年2月24日 18時
