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文化祭の日
"どこからまわる?"
"コンテスト誰でるかな!"
あちらそちらで賑やかな声。
それは俺も隣のやつもそうでいつも以上にハイテンション。
「なあなあ!最初に何食べる!?
俺ねぇー焼きそばいいなー!」
「はいはい笑 買ってくるからお前は着替えとけ?」
「え!1人で行くの?一緒いこーよ」
「………わかったって笑」
友達「那須いないとコイツうるさいんだよ笑
あ、またいない!みたいな笑」
「だって那須ばっかサボってずるいじゃん!」
サボってんじゃないし笑、そう続けながら浮所の背中を押して女子生徒に引き渡す。
さっきから浮所の後方で話しかけるタイミングを見ていたのだ。可哀想だし、自分も着替えあるしと理由付けて会話を切り上げる。
俺に渡された衣装はメンズの浴衣。
明るい紺色を基調に、白のストライプ模様がはいっている。帯は黒で端にだけちりめん柄があしらわれていた。兵児帯を用意してもらった為、着付けも1人で楽々だった。
「できたー!みてみて!」
「…………女子じゃん」
「頑張ったもんねえ!どう?可愛い?」
「可愛いって言ってほしい?笑」
「言ってよ〜〜」
「可愛いよ笑」
「那須もかっこいいね、浴衣」
へへっとはにかむ浮所は、この間と同じセミロングヘアに制服姿だった。セミロングのウィッグは毛先が少し巻かれていて彼の輪郭を隠しているが、元々小顔だしなあと思う。よく体を動かしている割には細い足。ストッキングを履いているのだろうか、肌が白く感じる。
メイクも薄くしてもらってるらしく、
ほんとに女の子に仕上げてきた。
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作者名:一縷 | 作成日時:2020年5月7日 4時