15頁 踊るギャングスター 〈起〉 ページ16
それはあまりにも唐突な提案だった。というかなんでそんな話になったのか理解できない。それに半分って取り分おかしくない？ そっちが不利じゃんか!? 呆気に取られている私を置いて話が進んでいく。不意にゆらりと彼女の上半身が俯いて、
「…なるほど、さすがはバンカラもんじゃな…」
そう言った。……なんか勘違いされているようだが。
すると突然、パシッと軽い衝突音が響く。ウツホちゃんが戦闘態勢をとったのだ。
「言葉なぞいらん、コブシで語れと言うか！ 」
「なぜそうなった?! 」
展開が早すぎて完全に置いていかれている。そもそも、オタカラって何!? そんなことを言う暇もなく状況は既に動き出していた。
妙な形の笛を吹く。すると一瞬の間を置いて、ごん！！ と耳を刺す落下音。大きくバウンドしてもう一度着地する。
落下してきたそれは黄色と紫の巨大な箱ーー『タコツボックス』ーー
3度目の衝突と同時、ウツホちゃんは大きく跳躍し、空中で一回転、しっかりと箱の上に着地する。
(違う、何か…来る)
箱の中で無数のものが蠢く音。虫ではなく、巨大な何か？
その音の正体はすぐに判明した。箱の隙間から顔を覗かせる大魚、ウツボが何匹も収まっていたのだ。ウツボはその口を大きく開け、空気を揺らす雄叫びをあげる。
「そぉーら」
再び大ジャンプ、箱を角で立たせ、器用にその上に立つ。
「祭りじゃ‼︎」
その声を合図にぐるぐると箱が、地面に刺さった角を起点に回転し出す。
「一の舞！五月雨ウツボ‼︎」
ウツホちゃんの…技名、それともウツボ達への指示？ 気がつくと足元には黄色の影が落ちている。影、それに五月雨。
(まずい、上っ！)
空を見る。5メートルほど上、ウツボが大きな口を開け迫ってきていた。大丈夫、まだ大丈夫。慌てずに逃げれば大丈夫。そう自分に言い聞かせ、3メートルほど一気に距離を取る。
「きゃっ」
逃げた先すれすれににウツボが降りてきた。どうやらウツボ達は地面に突き刺さっているようでバタバタともがいている。目の前の個体にインクをかけてみると、ポンっと煙を上げて消えてしまった。手応えが無い…これはまさか。
16頁 踊るギャングスター 〈承〉→←14頁 オルタナに眠る、輝く器。それは…
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ソルシード(プロフ) - りんごさん» ｱｯすみません！消し忘れてました。ご指摘ありがとうございます！ (2022年11月5日 22時) (
レス) id: 4da8726d25 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - オリ，フラ立ってますよ！ (2022年11月5日 22時) (レス) id: 40f7098858 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソルシード | 作成日時：2022年11月5日 21時
