12頁 知恵熱？ ページ13
気がついた時、まず最初に真っ青な空が見えた。それから、心配そうに覗き込むコジャケちゃんの姿が。
「あれ、私……」
声を出そうとしても、喉が乾いて声が上手く出ない。気道に何か張り付いてるような違和感が気持ち悪い。
「あ、3号ー！ 心配したんだよ」
そんな声とこちらに向かってくる足音が聞こえた。地面の上に敷かれた柔らかな布の上で何とか体を動かす。よく見ると擬態は解けていて、完全にタコの姿になってしまっている。
(そりゃ動けないよね……)
しかし、擬態しようとしても上手く出来ない。熱もあるのか頭痛が酷い。
「3号、大丈夫？ 一昨日からずっと寝込んでたんだよ。あ、これ飲み物。熱いから気をつけてね」
近づいてきたのは1号さん。手にはマグカップをふたつ持っており、そのうちひとつを私の横に置いた。
「あの、私どうしたんですか……？」
「よくわかんないの…すりみ連合と話した後、急に倒れちゃって…」
「そう、ですか」
今まで熱を出すことはあれど意識を失うことなんてなかったし、そもそも病気すらほとんどした事がない。
「えっとね、2号が言ってたけど……もしかしたら3号の熱は知恵熱みたいなものなんじゃないかって」
「知恵熱、ですか？」
よく分からない。熱が出るほど頭を使った覚えは無いのだけれど……。確かに少し無理はしたけど、さすがに倒れはしないと思う。
「そう。正確には違うらしいけど、似たようなものかもって」
やっとの思いで身体を起こし、足を使ってマグカップを引き寄せる。暖かなカップにはココアが入っており、ココアにはマシュマロがひとつ浮かんでいた。
「あ、そのココア、実は2号のなんだけど……3号、秘密ね！」
そう言っていたずらっぽいウインクを見せる1号さんは、少し子供っぽく見えた。
「3号ってさ、ここに来る前何してたの？ 」
「私は……えっと。名前ってまだ言ってなかったと思うんですけど…Aって言います。ハイカラスクエアから来ました」
「うんうん」
「バトルはまだまだ弱くて、擬態だって最近やっとできるようになって…」
「えっ？！ 3号、すごい強いよ？ 」
「あ、はい。何でなんでしょうね…？ 私もよく分からなくて……」
「そう、なんだ」
そんな会話をしながらココアを飲み終わると、突然また睡魔が襲ってきた。そしてそのまま意識が薄れていく。
「わ、3号?! ……うん、ムリはしないでね、おやすみ」
そんな声を聞いた気がした。
結局その日は1日中寝込み、復活できたのは翌日の昼過ぎだった。
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ソルシード(プロフ) - りんごさん» ｱｯすみません！消し忘れてました。ご指摘ありがとうございます！ (2022年11月5日 22時) (
レス) id: 4da8726d25 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - オリ，フラ立ってますよ！ (2022年11月5日 22時) (レス) id: 40f7098858 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソルシード | 作成日時：2022年11月5日 21時
