In My Room -3- (ページ3)

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-101-　(2016.1.17改編) ページ3

「そうなの...。大変だったのね。じゃあ仕上がった料理持ち帰って、お父様と一緒に食べたらどうかしら？」
「えっと..。父も亡くなりました。」
そう言うと、無言で肩から抱きしめられる。
腕が温かくて背中を摩られると涙がこみ上げる感覚に、静かに深呼吸をする。
腕が解かれると笑顔で見つめられ、また目元に涙を感じて苦し紛れの笑顔を返す。

「いやね、あの子何も教えてくれないから、辛い話しさせちゃったわね。」
「いいえ。簡単に話したりしないのが、イェソンさんの良いところですよ。」
気持ちを落ち着かせるために、作業を再会する。
イェソンさんや、ご家族の空気はいつもどこか心地が良くて優しく包んでくれている気がして、気が緩んでしまう。

「ありがとう。Aさんは、優しいのね」
「そんな事ないです。」
凝り固まっていた身体が、お風呂に入ったみたいに柔らかくなった様に感じる。

それからお互いに色々話しながらせっせと作り上げると、結構立派な数の仕上がりになって、喜んでくれる笑顔が嬉しかった。

ついこの前、これ以上欲張ってはいけないと思っていたはずなのに、結局は温もりを欲しがっている自分に気がつく。私はどうしたらいいんだろうか。