或る爆弾4 ページ39
「や、やめなさーい、親御さんが泣いてるよ……!」
「何だアンタ」
「みみみ見ての通り、ただの新聞配達員です!
その、爆弾とか良くないよ……
生きていればきっといい事あるよ!」
「無責任なこと言うな!皆死ねば良いんだ!」
狂気的に叫ぶ爆弾魔の雰囲気に押され、ひいっと情けない声を漏らす敦。
「僕なんて孤児で家族も友達もいなくて、孤児院は追い出されるし行くあても伝手もないんだ!」
「い、いやそれは……」
爆弾魔が敦の不幸歴にたじろぐ。
「それに虎に変身しちゃうらしいし、警察にバレたら多分縛り首だし、誰がどう見ても社会のゴミだけど!
それでもヤケにならずに生きてるんだァ!」
『……おー敦君凄い』
「だから爆弾なんか捨てて、一緒に仕事探そう」
「……なんか話変わってねェか?」
『……いいんじゃない?ホラ、爆弾魔さん狼狽えてるよ』
それを見た太宰は国木田に今だと合図を出す。
「無駄撃ちは嫌なんだがな……独歩吟各!」
国木田の手帳の頁が、鉄線銃に変わる。
放たれた鉄線が、起爆スイッチを掠め取った。
慌てる爆弾魔に近づき、投げ技を食らわせる国木田。
「一丁上がり〜皆さんお疲れ様」
「何が一丁上がりだ、指示を飛ばすだけで何もしていないではないか」
「だって国木田君は……じゃんけんに負けたんだから。ね、高杉君?……あれ高杉君何してるの」
倒れたままの銀時に近づき、刀を振り上げる高杉。それを止めようともしない新八。
「ちょ、何やってるんですか高杉さんんん!Aちゃんも銀時さん助けなくていいの!?」
あたふたと動き回る敦。その背中を、誰かがぽん、と押した____
「ぶっ!」
不可抗力で手折れる敦。その先にあったものは、不運にも起爆スイッチで____
「あああああと5秒!?」
『ええええ!』
敦の脳裏に、高杉が言っていた言葉が蘇る。
___爆弾になにか覆い被せれば、被害を抑えられる。
「なっ……」
敦は自分でも、何をしているのか分からなかった。
ただ咄嗟に、爆弾を抱えていた。
3、2、1____
敦はぎゅっと目を瞑った____
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風寧 - Юрияさん» ありがとうございます!これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします! (2019年6月15日 20時) (レス) id: 20b2ea3bbd (このIDを非表示/違反報告)
Юрия(プロフ) - どっちも大好きなアニメで読んでいて、とてもニヤニヤしてしました!更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2019年6月15日 17時) (レス) id: f4565d370d (このIDを非表示/違反報告)
風寧 - 筑最さん» ありがとうございます!多そうで意外と少ない(?)組み合わせだと思ったので合体させちゃいました笑 更新頑張ります! (2019年6月11日 21時) (レス) id: 7e3874af1e (このIDを非表示/違反報告)
筑最(プロフ) - うわー好きなやつが合体しちゃったよー嬉し過ぎて泣きそうだよーこれからも頑張って下さい。 (2019年6月11日 0時) (レス) id: 27d7716bc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風寧 | 作成日時:2019年5月26日 0時