魔法２３ ページ24
―――ナツメ side
レ「震え過ぎだろ」
主「寒いんだよッ！もう冬だぞ！？」
レ「はぁ…、これでも羽織ってろ」
主「…ッ！」
レ「着なくなった俺の服だ、テメェにはでけぇだろうが…さっきよりはマシだろ」
主「へへ、温かい…」
レ「…(なでなで)」
主「…スンスン」
レ「あ？何やってんだテメェ」
主「この上着、お前の匂いする」
レ「そりゃそうだろ、俺が前まで着てたやつだからな」
主「いい匂いだ…、めっちゃ安心する」
レ「…そうか」
主「俺、いつも(服が完全に着れなくなるまで着てる性格だったから)新しい服とか無くて、だからある服で何とかやってたんだけど、誰かからこんなに温かくて(手触り良くて)安心する服が貰えるなんて思わなかった…(こんな事なら、新しい服ある程度買っとくんだったぜ！)」
レ「…(すり)」
主「？」
レ「今度からは、俺の服とか新しい服を買ってやるからな」
主「うん？」
え、何故？何か教室に居る生徒全員が、俺達のやり取りを見て涙ぐんでるし…え、ちょ、どゆこと？何で皆泣いてんの？何で先生も一緒に泣いてんの？クルーウェル先生？アンタも泣くの？何で！？
クルーウェル先生が俺の方へ近寄ってきて、俺の肩をポンッと叩いた。え、何？
ク「仔犬、後で別室に来なさい」
主「な、何故？」
ク「いいから来い、分かったな仔犬」
主「は、はい(汗)」
クルーウェル先生は俺の返事を聞いて満足したのか、そのまま授業を始めた
授業が終わり、俺はクルーウェル先生と別室へ向かうとクローゼットのような所からどの季節にも着れる服を大量に出してきたのだ
その服の量の多さに流石の俺も慌てて要らないと言ったんだけど、何故か俺が何かを言う度に涙ぐんで『無理をするな仔犬、いつでも俺が父親になろう！』と言い始める始末…(汗)
いや…、えっと…遠慮したいんスけど…！！
主「えっと…クルーウェル先生」
ク「……」
主「クルーウェル先生？」
ク「……」
主「…父さん」
ク「何だナツメ」
主「服、ありがとう(名前で呼ばれたよかなりレアじゃね！？)」
ク「気にするな、ちゃんと暖かくして寝るんだぞ」
主「うん」
はぁ…、この大量の服どこに置けばいいんだ？本来の俺の部屋にでもしまうか？あそこをクローゼット代わりにすれば、レオナから貰うであろう服も入るもんね。うん、そうしよう！
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作者名：抹茶ラテ | 作成日時：2020年6月10日 23時
