君。 ページ2
…これだから天然って。
イラってした私の背後からクスクスと聞こえてきた。
「だっせぇ…まだ6時だって」
「…何時から診察してもらえるんだろ…」
その人の話を無視したつもりはないけど、なんとなく口に出した言葉。
「あと30分。俺も用事あるから一緒に待ってよっか」
その人は歯を少し覗かせて笑った。
「ってか、なんて名前なの?」
「私?私はAって言うんです」
「へーえ、可愛い名前、でも友達居ないでしょ」
「え、い…居るよ、めっちゃいっぱい居るよ…っで、あなたはなんて名前…?」
「居るんだー、以外、俺は柊生。よろしく」
柊生くんか…
すっごい元気そうなのに病院に用事あるんだ…
あと15分。何話そうかな…
「あ、柊生また抜けてたのかよー」
「…まあな、ってお前もそうだろ」
「相変わらず笑わねえな。その子誰?」
柊生くんが言う前に私は言った。
「えっと、Aって言います!あなたは…?」
「Aちゃんか、俺は龍二、よろしく、ここの患者で
柊生とはおんなじ部屋なんだ♪」
「え?柊生くん入院…してるの?」
すると龍二くんは焦った表情で慌てていた。
柊生くんは無表情になり、目をそらした。
聞いちゃダメだったのかな…
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作者名:栞菜 | 作成日時:2014年7月28日 10時