甘い誕生日 ページ5
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「…ん、」
漂うほんのり甘い匂いと、コーヒーの匂い。
その匂いの幸福感に隣にいる彼を抱きしめようとして……
「…え?」
昨日の夜一緒に並んで寝たはずの彼がいたところには冷たい空気だけが残っていた。まだ回らない頭のままゆっくり起き上がる。
稜くんは…?
昨日、明日は休みだからゆっくりできると嬉しそうに話していた彼を思い出しながらぼーと考える
「…てか、この匂い、なんだろ…」
布団から出て匂いのする方向に進んでいく。
寝室を出て、廊下を通って、リビングを開けて、
『あれ、A、もう起きたの?』
キッチンに立つ稜くんの姿に首をかしげる
「稜くん何してるの?」
『朝ごはん作ってる』
「え…?」
『あ、Aはゆっくりしてて』
稜くんの言葉の意味がわからないままリビングのソファに座らされる
『もうちょっとで出来るから』
…なんで、稜くんが朝ごはん作ってるの?
料理を作ってる彼が気になってソファの背中越しにキッチンに立つ彼を見つめる。稜くん、カッコいいな。
私が見てるのに気づくと急に耳まで真っ赤にして手をしっしっとする。しょうがないから前を向いてテレビを見る。ちょっとウトウトとし始めた頃、
『A?出来たよ』
稜くんの声に目を覚ます
「いい匂い…」
迎えにきてくれた稜くんに連れられて椅子に座る。目の前には美味しそうなパンケーキとオムレツそれにサラダとコーヒー。
「凄い豪華…」
『はいちょっと目瞑って』
言われるがまま目を瞑る
『…はい、いいよ。開けて』
「わぁ…」
オムレツの上に書かれた"はぴば♡"の文字
「嬉しい!」
『稜雅シェフの力作です』
「どうしよう…稜くん大好き」
『え…ちょ、恥ずかしい』
稜くんは照れたように私の頭を撫でる
『今日はAは何もしなくていいから』
彼の優しさに無意識に口角が上がる
「稜くんみたいな奥さん欲しい」
『えー?俺はどっちかって言うとAみたいな奥さんが欲しいけど?』
「のちのちね?」
彼の冗談に乗ると彼は照れたように肩をすくめる
『ごちそうさまでした』
「ごちそうさまでした」
食べ終えた後、食器洗いをする稜くんを眺めて、その後2人でまったり映画をみる。
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○○(プロフ) - あっちゃんさん» ありがとうございます。頑張らせていただきます! (2018年7月28日 22時) (レス) id: bc97300b24 (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - 作者さんの小説大好きです!これからも応援してます! (2018年7月28日 20時) (レス) id: a151bbb754 (このIDを非表示/違反報告)
○○(プロフ) - ネオンガールさん» ありがとうございます!嬉しいです。頑張らせて頂きます! (2018年3月20日 9時) (レス) id: bc97300b24 (このIDを非表示/違反報告)
ネオンガール(プロフ) - たくちゃんのプロポーズのお話泣きそうになりました…。更新待ってます!頑張ってください:-) (2018年3月19日 22時) (レス) id: d6341b5934 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:.C | 作成日時:2017年12月23日 22時