優しい彼 ページ18
.3
「…はぁ」
人間、何もかもが嫌になる時ってあると思う。
そして、今まさに自分がその状況に置かれているとも思う。何かこれって理由があるわけじゃないけど全部が積もりに積もって、ただなんだか疲れる。
『おーおかえり』
「…うん」
とりあえず早く寝たい
『A?』
帰ってきてすぐに寝室に入ろうとする私に稜雅は不思議そうに声をかける
『A、寝んの?ご飯食べないの?』
ベッドに倒れこむと寝室のドアの近くに立っているであろう稜雅の声が聞こえる
「…いらない」
『食欲無いの?あるんだったら食べた方がいいよ。明日も早いんだろ?それに体壊したら………』
「いらないって言ってるでしょ!」
自分の声の大きさに自分でも驚いた。
一気に静まりかえる部屋に私はひたすら心臓の鼓動を速める。
こんなこと、言うつもりじゃなかったのに。
『…A』
「私のことはほっといて、」
静かにドアが閉まる音がする。
…だから稜雅は部屋から出て行ったと思ってた。
『ほっといてじゃない』
「…っ、」
うつ伏せに倒れ込んでいた体を起こされて、稜雅の大きな瞳と目が合う
『Aが心配だから声掛けてるのに、そんなこと言うなよ。大切な彼女のことほっとけるわけ無いだろ?それとも、Aにとって俺は大切な彼氏じゃないの、っ!』
目の前で起きた光景に思わず目を見開く。
思わず稜雅の顔を叩いてしまった。
私にとってだって稜雅は大切な彼氏なのに、わかってもらえてないって思うと。悔しくて。
また聞こえたドアの閉まる音に涙を零した。
354人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
○○(プロフ) - あっちゃんさん» ありがとうございます。頑張らせていただきます! (2018年7月28日 22時) (レス) id: bc97300b24 (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - 作者さんの小説大好きです!これからも応援してます! (2018年7月28日 20時) (レス) id: a151bbb754 (このIDを非表示/違反報告)
○○(プロフ) - ネオンガールさん» ありがとうございます!嬉しいです。頑張らせて頂きます! (2018年3月20日 9時) (レス) id: bc97300b24 (このIDを非表示/違反報告)
ネオンガール(プロフ) - たくちゃんのプロポーズのお話泣きそうになりました…。更新待ってます!頑張ってください:-) (2018年3月19日 22時) (レス) id: d6341b5934 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:.C | 作成日時:2017年12月23日 22時