. ページ5
.
「よ」
佑亮とたわいもない会話をしていると片手をあげた吉野先輩が颯爽………というよりは、だるそうに歩いてきた。
「久しぶりです。先輩」
「せやな」
「あ、初めまして」
「おーよろしくな佑亮くん」
「おおおお!僕の名前!!」
嬉しそうに驚く佑亮の顔に先輩も私も思わず笑う。
「なんでこんな暑いん」
「夏ですもん」
「むりやわぁ」
そういいながら眉間にしわを寄せる先輩。
「先輩、今日は前髪とメガネ、なんですね」
「ん?お前がこれがいいってゆーたんやんか」
「え、覚えてたんですか?」
「褒められて伸びるタイプやから」
「ねぇ・・」
隣から聞こえた声に振り返る。佑亮はチラッと先輩をみると私をみて小声でささやいた。
「…Aは拓弥先輩が好きなんじゃないの?」
「え?そうだけ、ど……?」
ん?
「ん?」
今、声にだしていったのは隣の吉野先輩
「……え?僕なんか…」
「まっ、て」
固まる私と吉野先輩を交互に見つめる佑亮の目がだんだんと大きく見開かれる。
「あっ………いや!えっとその……」
「……いつから草川先輩って、知ってたの?」
「あー……その…去年の夏ぐらいに…聞いちゃったっていうか…」
なんだ、佑亮
「知ってたんか」
隣で高らかに笑い始める先輩。
「言ってくれればよかったのに!」
「いや!それを言うならAも言ってよ!?」
「あっそれは…」
「、ごめん」
「…いいよ。どっちにしろ僕勝ち目ないじゃん!?」
なんか、どこをついても逆ギレ状態、でも、楽しそうに笑う佑亮。
「お前ら面白いなぁ」
笑ってれば暑い道のりもあっという間だった。
.
317人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:.C | 作成日時:2017年7月17日 14時