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「あ、晃一くん」
「おはようございます」
「こういちにいちゃーん!!」
「わっちょ何すんねん!」
「あそぼ!!」
「リク。今日は晃一お兄ちゃんちょっと用事があるから後でね」
「えー」
「えーちゃうわ。用事終わったら遊んだるから!ええ子にしとけよーリク。」
「はやくしてよー」
施設の端にある部屋のドアを開ける。
このドアをくぐるのは、今の家に行くのが決まった時以来……
「ご両親が、会いたいって」
「…両親が、ですか」
「そう。晃一くんももう大学生になったことだし。どうかなって。」
…今更、会いたい言われてもなぁ…
「、考えさせてもらってもいいですか?」
「もちろん。ゆっくり考えて」
失礼します。
そう言ってドアを閉める。思わず零れるため息。
呼ばれた理由はなんとなく分かってたし、こういう事態もあると思ってたけど……
「…けど、いざとなるとわからんもんやな」
Aちゃんに出会って
勝手に、
変われたからもしかしたら大丈夫かもしれない、今の俺なら両親に胸を張って会えるかもしれない、
…なんて思ってた。
「あかんなぁ」
「こういちにいちゃん?」
「…リク」
「ようじ終わったの?」
「おー。遊ぼか」
「うん!」
俺は、どうするべきなんやろか。
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作者名:.C | 作成日時:2017年7月17日 14時