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いざ、
カメラのレンズを向けられると、結構恥ずかしいもので
「…Aちゃん、緊張しなくていいよ。普通にしてて?」
くすっと笑った先輩に、更に恥ずかしくなる。
普通に、って言われても…やっぱりカメラが、っていうか先輩が…気になってしまう。
「深呼吸…体、ほぐして?」
優しい声に頷いて、目を瞑って大きく息を吸う。
多分、いつもと変わらない空気だけど、なんだかとっても美味しい気がした。
そのままそっと目を開け、ふと感じた明かりにそちらを向く。
「…っわぁ…」
覗いた朝日に照らされた街がキラキラとしていた。あ、私の家みつけた。
カシャッと聞こえた音にハッとして振り返る
「あっ…ごめんなさい!カメラに背向けちゃって…」
「ううん。全然いい。めっちゃいい、」
写真を確認しながら先輩が食い気味に答えて首を振る
「自然で、可愛い」
自分でも、わかる。
耳が、熱い。絶対顔が赤い。
「その表情、いいね」
そう言った先輩がシャッターを押した。
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作者名:.C | 作成日時:2017年7月17日 14時