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新しく追加された友達
無機質な文字と一緒に並ぶAという文字。
その名前をみて軽く溜息をつく。コイツはまだあの言葉を覚えているのだろうか。
「……どこまでがついていい嘘で、どこからがあかんのやろうか」
久しぶりに拓弥が俺の家に遊びにきた。
「どうしたん、急に」
「いや、なんとなく」
「そか。はい、これ」
冷たい麦茶にきもちーと笑う。
「…昨日お祭り行ってきたん?」
「あ、うん」
「暑いのによう行くな」
「海に誘われたから」
「そか」
拓弥はコップの中の氷をカラカラとならすと視線をコップから俺にむける。
「…そういえばね。昨日Aちゃんに会った」
「へぇ……」
まさか、拓弥から今その名前を聞くとは思っていなかったから思わず目を見開く。
「浴衣着てた」
「ふぅん…」
「てか、俺ずっと思ってたんだけど」
視線を外して頭をくしゃくしゃと掻きはじめる。
「…Aちゃんって晃一のこと好きだよな?」
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作者名:.C | 作成日時:2017年7月17日 14時