恋する乙女よ、嘘をつけ。 (ページ43)

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「北村くん」
「あ、」

私の浴衣に少し驚いたような顔をする北村くん。

「匠海みとれてるの～？」

からかうように笑う佑亮、と慌てて笑う北村くん。
なんだか新鮮で楽しい。

「じゃあいこっか」

3人で公園まで歩き始める。

「やっぱり今年も凄い人…」
「暑いね」

売店の並ぶ道は多くの人でにぎわっていて、

「あれ？佑亮は？」
「あれ…どっか行っちゃった？」
「ゆうすけー」

北村くんと顔を見合わせる。

「まさかの迷子？」
「高校3年生が？」
「っぷ」

お互いクスクスと笑う。

「って、笑いごとじゃないよね」

慌てて佑亮のラインに連絡を入れる。

「あ、」

そんな声と共に腕を引かれたのは丁度携帯を仕舞おうとした時だった。

「、ごめ」
「ありがとう、」

気付いたときには北村くんの腕のなかで、目の前には焼きそばが落ちている。

「すみません！大丈夫でしたか？！」
「大丈夫ですよ」

そんな会話をぼぅとみつめる。北村くんドキドキいってる。

そんなこれも全部運命なのかな。

「Aちゃん、」

そうやって聞こえた声も

今、こうして目の前にあなたがいることも。

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