3話 ページ4
女子に囲まれている翼を発見して声をかければ女子に手を振り私の元に掛けてくる。
翼「遅いぞー。せっかくの貴重なデート時間を削るなんて翼くんおこ」
「すまぬ」
翼「悪いと思ってないだろ。てか呼び出しってなんの話ししてたの？まさか告られた？なーんて…」
「よく分かったね、エスパー？」
今まで告白なんてされたことのなかった私、びっくりしたのは私だけじゃなかったようで…翼もめちゃくちゃ驚いた顔をしていた。
翼「マジで告白？え、付き合うの？」
「んなバカな。だって私だよ？」
今まで恋愛経験ゼロだった事は翼も知っている。
それに自分の恋人はゲームの中の人だと話しつつ、鈴木くんと連絡先を交換したことを教えれば不貞腐れたように口を尖らせている。
翼「…にしても、鈴木？ってやつ挑戦者だな。こんな格好良い幼馴染みがいるのに告白なんてさー…」
「あーそれ、気にしてたっぽいけど全否定しといた。だってうちらタダの幼馴染みじゃん？」
翼「…タダの幼馴染み、ね？」
「何その不満そうな顔…。ま、いいや。後ろ乗るよー」
私の言葉を合図に自転車に跨る翼。
その後ろの２台に横乗りする。
※本来自転車の二人乗りは禁止ですよ皆さん。
翼「ちゃんと捕まれよー」
「んー」
翼に軽く返事をしつつ２台の部分を掴む。
翼「そうじゃないっていつも言ってんじゃん。俺の腰に手、回せってこと。自分でやんないと出発しませーん」
「は？意味不……翼？」
いつもは翼が私の腕を掴んで無理矢理腰に手を回させるようにするのに、今日はそれをせず言葉で言われる。
しかもなんか違和感というか…不機嫌というか、…怒ってる？
翼「はーやーくー」
「めんどいなー。…はい、これでいーですか」
自分から回したことのなかった翼の腰におずおずと腕を回せば満足そうに微笑んでくる。
あれ、いつもの翼だ。なんだよもー…。
駅近くのデパートに着き自転車を置いてモール内を歩き始める。
服屋や靴屋もちろん、ゲーセンもあるし本屋もある、その他にも色々。
一日中見て回れるので割と好き。
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作者名：るーこ | 作成日時：2018年12月26日 19時
