幼馴染み (ページ3)

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2話ページ3

心なしかその彼の頬が赤い…。

不思議そうに首を傾ければ門の前だと人目につくからと校舎裏へ移動する。
翼が心配するかもと思っては予め連絡をいれておく。

鈴木「…さっきの彼氏？」

「ぅえ！？ないない！幼馴染みというか、腐れ縁というか…そういうの」

鈴木「良かった……」

「ん？」

鈴木「なんでもない！あー…あのさ、本当は去年言おうと思ってたんだけど…中々勇気でなくて…。今年、クラス離れただろ？だから…このまま会えないのは嫌でさ……」

鈴木くんは何やらモジモジ…顔を赤らめて視線をさ迷わせている。
なんだろう？用事があるなら早く済ませてほしい。
翼に後で何を言われるか分かったもんじゃない…

まぁ、ついてきた手前待つしかないのだが…。

鈴木「一年間過ごして思ったんだ。俺…神谷が好きだ…だから、俺と付き合ってほしい」

「………え？」

いやいや、ちょっと待ってくれ…好きって、私を？鈴木くんが？そんなふうに見てたの？…生まれて一度も告白なんてされた事がなかった私。
というよりそもそも人を好きになったことが無い。
付き合うとはなんぞや？乙女ゲーでやるような手繋いでとか、ハグしてとか、そんでキスとか……マジ？

色々混乱する頭をなんとか整理しつつ、勢いよく頭を下げる。

「ご、ごめん！私鈴木くんの事そういうふうに見たことなくて…。そ、そもそも人と付き合ったことも、なんなら人の事好きになったこと自体ないから…っ」

鈴木「じゃあ、好きになってもらえるように努力するからさ…！いきなりカレカノってのが無理なら友達から仲良くなれれば満足だし…」

「…友達、として？」

鈴木「お、おう…。メールとかでやり取りできればそれだけでもいいし。前のクラスの連中とか含めて遊び行けたらもっと嬉しいし…」

なんだか鈴木くんが泣きそうに云うもんだから連絡先くらいなら良いかな、と思い交換する。

嬉しそうに手を振りながら帰って行く鈴木くん。
うん、泣かれるのは胸が痛むし…去年絡んだ感じだと悪い人ではないし、まぁ大丈夫だろう。

それにしても…告白ってもっとこう…ドキドキするのかと思ったのだが…2次元に限り、ってやつなのかな？

小さく息を吐いてから翼の待つ校門へ戻る。