幼馴染み (ページ19)

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18話ページ19

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辺りは真っ白で私はキョロキョロと見回す。
少し先に人影が見えた。

背の高くなった大人びた大がいる。その隣には見知らぬ女の子、あと、私…かな？高校生くらいの…今の姿の私がいる。

ああ、これは夢か…なんとなくそんな気がして傍観者のようにその姿を眺める。

夢の中の大と私が話し始める。

大『お前とはもう幼馴染みの関係じゃいられない。じゃあな、A』

『どういうこと…？』

大『俺結婚するんだ。だから、前みたく仲良くは出来ない』

『待って…行かないで…』

大は見知らぬ女の子の手を取り私の傍から去っていこうとする。
行かないでほしいと懇願する私の思いは虚しくどんどん距離が開く。

『前に、ずっと傍に居るって…』

大『ああ、けど翼を選んだのはAだろ？お前が誰かと幸せになるなら、俺はもう必要ないと思ってさ』

『そんなことないよ！私には大も翼もどっちも大切だもん！』

大『ありがとな。…あと最後だから言うけど、実は俺…A事好きだったんだ』

『……え？』

大『翼じゃなく俺を選んでくれたら…なんて思った事もある。……でも、そんな未練がましい自分とも、Aともさよならだ…』

『最後だなんて嫌だよ！大！』

大『幸せになれよ…』

私に幸せになれと言う大の瞳から一筋の雫が落ちる。
大が泣いてる……。どうして…？

一人取り残された夢の中の私と今の光景を見ていた私の気持ちがシンクロして、涙が零れる。

待って、待って、行かないで。
ずっと一緒だったのに離れていかないで…。
翼じゃ駄目なんだよ、大も居てくれなきゃ寂しいよ…！大が居てくれなきゃ…大じゃなきゃ嫌だ…！
だって私が好きなのは……っ

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「っ…！」

勢い良く起き上がる。
見慣れた部屋の中、ああ…夢から醒めたのか…。
私の瞳からは夢と同じように涙が流れていた。
一筋の、ではなく多分ボロ泣きレベルの量。
慌てて涙を拭う。

時計を見ればアラームが鳴る10分前。

もう少し眠れたのにと思いつつ起き上がってしまったので早めに学校に行く準備をする。

我ながら可笑しな夢を見た。
昨日の電話で応援してくれるって言った大が私を好きなんてある訳が無い。

それに夢の中の傍観者だった私は最後に何を思ったのだろう？大が好き…？
いやいやそんな馬鹿な。傍にいた幼馴染が離れていくのを目の当たりにして咄嗟に好きだと錯覚したに過ぎない。
タダの夢だと自分の中で結論を出し部屋を出る。