百五十一。知っておきたい？ ページ1
『その感じだと、あんまり良い印象ではなさそうだね』
慌てて滑り落としたお盆を拾う私を見て、二宮さんがそう言った。
二宮さんが見せたケータイ画面には、先日いらした女性が美しく微笑む姿があった。
『ごめんね。なんかひどいことでも言っちゃったんじゃない？アイツ』
“翔が、こんな水商売の女と付き合ってるなんて。ガッカリよ”
「あ、いえ……。二宮さん、その方をご存知なんですね」
なんとかそう反応した私に、二宮さんが間髪入れずこう続けた。
『この子が来た日さ。お店、男の客多かった？覚えてる？』
なんで、そんなこと聞くんだろう？
そう思いつつあの日を思い出してみる。
あの日…最近来ていただくようになった、男性お一人様でいらっしゃるお客様が中心だった。
中には、おばあちゃんのお店からの常連さんと
そして、智くんも。
「…そうですね。たしかその方以外は、男性のお一人様で埋まってました」
それを聞いた二宮さんは『やっぱりな』と言った。
先ほどから手付かずだった、焼酎の水割り
少しして、二宮さんはようやくグラスに口を付けた。
『知っておきたい？翔さんと、この子のこと』
…どうしよう。
もしも知るならば、翔さんの口からであるべきだろうか？
でも。あんな出会いを、どう翔さんに伝えるの？
それに…お会いしてしまった以上
私の中では、彼女を無かったことにできなくなってしまったのが事実だ______
「…聞かせていただけますか」
気が付けば、そう答えていた私がいた。
私の答えを聞いた二宮さんは『先に言っておきたいんだけどね』と言って、グラスに手をつける。
『気をつけながら話すけど、もしAさんの気を悪くする表現があったらごめんね』
こういったところが、二宮さんらしい気遣い。
そして既にその言葉が、翔さんとその方の深い関係を表すようだった。
「大丈夫です。ありのまま、聞かせてください」
それから、なにか懐かしむように
ひとつひとつ、二宮さんは話し出した。
『この子、会社の一つ下の後輩なの。
つまり、翔さんと俺のいる部署に配属されてきた、直属の後輩』
ここまで切り出してから、ひとつ気が付いたようにこう続ける。
『いつまでも“この子”って言うのも変か。
名前は、麻里奈っていうんだけど』
麻里奈、さん。
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ゆり:)(プロフ) - このお話が大好きで再開してくださり、とても嬉しいです。取材を受けられるなんてすごいですね！お店に行ってみたいです！ (2021年10月5日 20時) (
レス) @page31 id: 4c9de357d4 (このIDを非表示/違反報告)
miihoo(プロフ) - こんばんは。お仕事の方もお疲れ様でした。更新もありがとうございます。私もざっくり飲食関係の仕事なので身近に感じて毎回楽しみにしています。そしてこのお話の翔ちゃんが大好きです。続きを楽しみにしてますね！ (2021年10月2日 19時) (レス) @page27 id: 4ea876c979 (このIDを非表示/違反報告)
nao(プロフ) - 続きが楽しみです！楽しみにしています！！ (2021年9月19日 18時) (レス) id: afb0ab4a24 (このIDを非表示/違反報告)
shi(プロフ) - こんばんは。元彼女め…とモヤモヤしますね( .. ) この後の展開がドキドキです！！更新楽しみに待っています！ (2021年5月29日 21時) (レス) id: 4f699932a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ティファニー | 作成日時：2021年5月23日 0時
