百四十三。花冠 ページ23
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「お待たせいたしました、南高梅酒の水割りです。御用の際はお気軽にお申し付けくださいね」
『…ありがとうございます』
先ほどの女性のお客様。
お食事はお済みとのことで、お飲み物を拵える。
様子を拝見する限りではあまりお酒はお強い方ではなさそうだ。
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『しっかしさAちゃん、新しい彼氏が相当な男前らしいじゃないか「_____っ！」』
智くんが店を後にして思い出したかのようにそう口にしたおじさんに驚いて、危うく手にしていたグラスを落としそうになった。
「やだ…おじさん、ここでそんな話」
今日は日頃お一人でいらっしゃることが多い最近からのお客様が数人見えていて、あまり自分の身の上話をおおっ広げにするのは…特にこの手の話は少し控えたい気持ちがあった。
『俺たちはてっきりAちゃんは智と結婚するもんだとばっかり思ってたのに〜なぁ？』
『そうそう、若いのに立派な会社にお勤めの役職もんらしいじゃないか。どこでそんな良いオトコ捕まえたんだよ〜』
おじさんたちも今日はかなりお酒が進んでいて、話題の熱はエスカレートするばかり
あぁ、困ったなぁ…
『なぁAちゃん、本当に智のことはいいのか？』
『智がAちゃんのことを好いてるのは気付いてないわけじゃないだろう？トシ子さんも、二人はそういう仲だろうと思い込んでたはずだぞ』
おじさんのその言葉に
遠い昔、幼い頃に交わした約束ごとが脳裏に蘇る
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“A、大人になったら智くんのお嫁さんになる！”
おばあちゃんがお店の準備で忙しい時は、小学校帰りの智くんが幼稚園まで私の迎えに来てくれて
その帰り道に通る小さな公園に寄り道をすることが日課だった。
“おう！Aは俺が一生守ってやるからな”
そう言っていつものようにニカっと笑って
すぐそばに生えていたタンポポを数本使って、あっという間にキレイな花冠を作って見せた。
“大人になったら、Aは俺の嫁さんな”
作ったばかりの花冠を私の頭に乗せて、サッと私の手を引く
“さ、早く店行くぞ！”
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智くんが作ってくれた丸い器に
甘栗と小芋の煮転がしを盛り付けながら思い返す
智くんは、小さい頃から本当に手先が器用で
なんでも作れちゃう人だった。
“まあA、可愛い花冠だねぇ”
…どうして今になって、こんな記憶
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_____ガタッ
『ごちそうさまでした。お勘定下さい』
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ティファニー(プロフ) - 琴乃さん» ありがとうございます。少しずつの更新ですが、よろしくお願いします。 (2021年5月23日 1時) (
レス) id: 0bbd7566ad (このIDを非表示/違反報告)
ティファニー(プロフ) - ぴぃさん» はじめまして、嬉しいお言葉ありがとうございます。私も、どちらかと言うと俺様な彼より甘くてやさしい彼が好きです。また宜しければ覗きに来てくださいね。 (2021年5月23日 1時) (レス) id: 0bbd7566ad (このIDを非表示/違反報告)
ティファニー(プロフ) - ゆり:)さん» もう本当に当初から、ずっと応援頂き恐縮です…温かいお言葉、ありがとうございます。嬉しいです。ノロノロは相変わらずですが、また書いて行こうと思いますので、よろしくお願いします。 (2021年5月23日 1時) (レス) id: 0bbd7566ad (このIDを非表示/違反報告)
ティファニー(プロフ) - まいさん» 嬉しいお言葉、本当にありがとうございます。返信も遅くなってごめんなさい。また書き始めたいと思うので、ぜひ今後もよろしくお願いします。 (2021年5月23日 1時) (レス) id: 0bbd7566ad (このIDを非表示/違反報告)
ティファニー(プロフ) - miihooさん» はじめまして、メッセージありがとうございます。嵐さんのお休み中に、少しでも癒しの力となれればと…よろしくお願いします。 (2021年5月23日 1時) (レス) id: 0bbd7566ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ティファニー | 作成日時：2015年6月5日 16時
