やさしい食卓三。【SS】 (ページ18)

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七十八。お前だけがページ18

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…え？

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『今じゃ、不思議でしょうがねえわ』

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『…誰よりも、近くにいると思ってたけど』

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『そんな、甘いもんじゃねえか』

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“ただ、俺がお前に会いたいってだけだから”

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『…言葉にしなきゃ、伝わんねえモンもあるってこと。気付くのに、時間かかっちまったな』

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…私は、この先の彼の言葉を、聞くべきなんだろうか

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『…A』

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『…俺たち

“幼馴染” って関係から、形、変える事』

『もう、出来ねえのかな？』

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“俺は、Aちゃんが智の嫁に来てくれるもんだとずっと思ってるんだが…どうなんだい？”

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どうしよう

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『…俺は、もう、遅過ぎたのかな』

『…なあ、A』

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まるで金縛りにあったように、身動き一つ出来ない

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『…何か、言って』

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ここまで言われて、何も気付かないほど

私も馬鹿じゃない

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『俺、ずっと、お前の事だけを見て来た』

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“Aー！はぐれちまうから、ちゃんと手握ってろよ”

“もーお前は、本当泣き虫だな”

“やっぱり、Aの作る牡蠣フライが一番だわ”

“…大丈夫だ、お前は一人じゃない”

“お前は、家族同然なんだから”

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そう、智くんは

誰よりも、私を守ろうとしてくれて

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『…ずっと、お前の事だけが、大切だった』

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誰よりも

私を大切に、大切に思ってくれていた

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『…A』

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“なんか、最近またキレイになったなと思って”

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『俺はもう、ただの幼馴染ってだけじゃ、いられねえよ』