無鉄砲ボーイ

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好きな子の前で好きな子が好きな子の名前出すなんて。




いや、あほやな、確実に。







「…照史って…ラグビー部の照史？知り合いなん？」







あ…呼び捨てなんや、照史は。




…俺は重岡って呼ぶのに。




…そりゃそうよな、好きなんやもんな。




言葉の続きが気になるのか急かしてくる。







大毅「あぁ、、うん。去年同じクラスで。」




「照史がどしたん？なんか言うてたん？」







めっちゃグイグイ来るやん、なんなんこの子。




ばりわかりやすいやん、ほんま。




これって隠しとるつもりあるん？ないよな、さすがに。




どうしよう、なんて言おう、なんて空っぽの脳みそを動かして…







大毅「おん、、なんかラグマネで可愛い子おるって…」




「それは嘘。」




大毅「え、いやほんまやって！」




「だって私照史のタイプと真逆やもん」




大毅「タイプ？」




「美人でグラマラスな年上のお姉さんが好きって言っとった」







確かに真逆や。



…いや真逆ちゃう真逆ちゃう！



あぶな…めちゃくちゃ失礼なこと言いかけた…。



Aちゃんは…美人…な訳では無いけど可愛いやんな。



グラマラス…では無いな。



…や、そういう意味やなくて！



なんて言うん？あの…年相応…やんな、うん。



いやでも他の子と比べたらちょっと小さ…



…ゔゔん。



…年上…ではないやんな。



…割かし真逆やった。




てかあいつ何言うてん。





変なとこで嘘つくなや、アホなんちゃうん。







大毅「俺はAちゃんの方が好きやけどなぁ」




「…え？」




大毅「…好きやで、Aちゃん」




「っ、アホなんちゃうん、」




大毅「あ、顔赤い。かーわい」




「うるさいっ！席戻れ！あっち行け！」




大毅「戻る戻る。隣やけど。」







…何となく、アタック方法、わかった気がする。




多分Aちゃんはちょっとツンデレ。




グイグイいったらワンチャン…あるんちゃうか？




自分の席について友達に“よかったやんー”なんてからかわれて顔を少し赤くしてるAちゃんを見つめる。




……可愛ええ。ほんまに可愛ええ。ばり可愛ええ。







智洋「……なぁ、しげ。」




大毅「んー…？」




智洋「…照史になんて言うん？」




大毅「……あ。」

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