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いつまで、こうやってふざけあっていられるかな。
俺は、守れるかな。
本当は凄く不安だけど。
俺は、この空間を守りたい。
「てめえ聞いてんのか!?」
『はぇ!?聞いてます聞いてます!!』
「聞いてねえだろっ!」
『わかったから落ち着けって!悪かったって!』
さっきから俺の肩をばしばしと叩く手を握る。頰を赤く染めて、こちらを睨みつけるA。その目の下に薄っすらとくまがあるのを、俺は見逃さなかった。
『…疲れた?』
「えっ。」
今日はいろいろあったし、もう寝たらどうだと勧めたら、変なことしたら追い出す!と言われた。でもやはり疲れていたらしく、あっさりと素直に2階に戻っていった。
ーーーーーー
さてと。
行くか。
冬にこの格好は寒いが、どうせ後で動くんだろうから、上着は着ずに出た。
例の公園には、やはりあいつがいた。
「ようやく来たか、天峰の倅。」
『その呼び方、やめろって言ったろ。』
「お前は一族の恥の癖に、何故、何故お前が…!」
『うっせえな。財産なら全部お前にくれてやるっつったろ。』
「俺が欲しいのは名誉と地位だ!財産じゃない!天峰の旦那に認められなければ意味がない!」
『それなら尚更俺関係ねえだろ。わざわざあんな古ぼけた携帯に連絡よこすようなことかよ。』
「黙れッッ!!!」
荒い息をしている相手に向かって、俺は言葉を止めなかった。
『俺はもうあの家に関わりたくない。お前が言う通り、俺にはもう別に守りたいものがある。それを傷つけたくない。だから、関わらないでくれないかな。』
相手は飛びかかってくる勢いでこちらを凝視している。
「黙れ…黙れッ…黙れッ!!!」
『いい加減にしろ!狭間!俺が家の財産権を自ら剥奪したいって、親父に言えばいいだろ!?』
狭間と呼ばれた男性は、目を見開く。
「お前…礼儀すら忘れたか…。」
『…お前は、もう俺の教育係じゃない!!』
「言ったな小僧!」
スーツ姿からは想像もできないようなスピードで、狭間は殴りかかってきた。
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白猫アリス(プロフ) - はじめまして!1から読ませていただきました!とにかくきょうくんのツンデレやばいもう語彙力低下しそう( ゚∀゚):∵グハッ!!更新頑張ってください! (2018年2月26日 23時) (レス) id: 7ad032ce1b (このIDを非表示/違反報告)
孤独の錬金術師×孤独の獄卒×孤独の海賊×孤独の妖怪 - おーーーーーー!!!!。 (2017年10月19日 6時) (レス) id: 507f5c40b1 (このIDを非表示/違反報告)
丸干し - ツンデレ! I love ツンデレ!! きょうくん最高!! (2016年12月15日 17時) (レス) id: ca2c405926 (このIDを非表示/違反報告)
カミツレの花(プロフ) - 更新待ってました!これからも楽しみにしていますっ(((o(*゚▽゚*)o))) (2016年11月5日 23時) (レス) id: 5332a3f4a6 (このIDを非表示/違反報告)
桜雫(プロフ) - 1から読まさせていただきました!きょうくんツンデレご馳走様です!!更新カバディしながら待機してます( ºωº )!!! (2016年8月25日 2時) (レス) id: 7a00add657 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/11235/
作成日時:2016年1月2日 22時