占ツク「の中」にいます 3

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馬鹿か。

馬鹿なのか。

「俺はお前の両親を殺しているんだぞ？」

笑いが止まらない。

「まァ父親の方は私の実父だがな。」

そんな私が悪い人なのか分からないだと？

馬鹿なのか。

人殺しまでしているのに悪くない訳ないだろう。





妹の顔が面白い。ここまで間抜けな顔を見るのは初めてだ。

「お前の母は、俺が殺した。」

さぁ憎むがいい。俺が昔お前の母を憎んだように。

「よく見ればお前は父にそっくりだ。」

母親が違うだけでここまで性格が違うものかと不思議に思う。

いや、母親の影響ではないか。育った環境のせいだな。

妹の目から綺麗な涙が落ちる。

綺麗な涙だ。

母親の死を今更聞かされて悲しみに沈んでいるのか、「狭間という人間が優しいのでは」という自分の予想を裏切られた事への怒りなのか。

そんなことはどうでもいい。










妹の姿が光って見える。

そんな尊い存在だとは思ったことは無いが。

光って見える。

光って…






「………狭間……………さん？」







雨が降ってきた。




…違う。






頬に落ちた水滴は、自分の涙だった。

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