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11-9 ページ24

痛い

手首がとても痛い

どうやら狭間は私をエサにして、卬をこの屋敷に呼び出したようだ。

私は別室に連れていかれ、図太い柱に縛り付けられた。移動中の周りの会話から、どうやらここは屋敷の「墓場」と呼ばれるところだそうだ。ここで誰かが死んでも、そのまま「お葬式」ができるのだとか。






薄暗い倉庫の中で、不安とともに疑問が浮かんできた。そもそも今のご時世、ただヤクザの後継者争いで死人を出す必要があるのか。何故ここまで私を巻き込むのか。

狭間は他の目的を持っているんじゃないだろうか。






この屋敷の事情をほとんど知らない私にとって、こんな疑問は全て解決できないものだ。考えるのを諦めたその瞬間、


「待ち人のお迎えだ、馬鹿娘」

冷え冷えとした声が響く。二人分の足音。目の細い長髪の男の後ろから現れたのは


『…!?A!!!』

「!!ッ……んんーー!!!!!」

さるぐつわが邪魔で上手く伝わらない。

『てっめぇ…!!よくも…よくも…!!』
「おおっと落ち着け、まだルールを説明していませんよ。」


「あの女を繋いでいる鍵は私が持っている。私を倒して鍵を奪えたら逃げてもいい。だが、お前が負けたら2人ともここで消えてもらう。」

「…ッ?!」

私も死ぬの…?


『…お前を殺さないと、鍵は奪えねえってか。』
「流石、お察しが早い。」
「…ッ??」
「私は[腹の中]に鍵をしまいました!倒した後に腹を解剖してお取り出し下さい!!」

腹の中…って、嘘でしょ!?いくらなんでも命かけすぎじゃないの!?

つまり、狭間が勝てば私たち2人は殺されて、狭間が負けても私が助かるには狭間が死なないといけない…。


驚きで表情が引きつる私と違い、卬はいつになく落ち着いていた。

『…最後に一言だけ、Aに話してきていいか。』
「どうぞ、最期だからな」


卬は私に駆け寄り、狭間から見えない角度で右ポケットに仕込んでおいた針金を右手だけで素早く加工した。

『…逃げるぞ。』


耳元で囁かれたのと同時に、私を繋いでいた手錠が外れた。ネットパトロールをしていた中でピッキングの早業かなんかを習得していたのは知っていたが、ここまで早いとは。


不意打ちの逃走に、狭間は驚きと憎悪で顔が変わっていた。






あとは、逃げるだけだ

Chapter12-1《真実》→←11-8



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白猫アリス(プロフ) - はじめまして!1から読ませていただきました!とにかくきょうくんのツンデレやばいもう語彙力低下しそう( ゚∀゚):∵グハッ!!更新頑張ってください! (2018年2月26日 23時) (レス) id: 7ad032ce1b (このIDを非表示/違反報告)
孤独の錬金術師×孤独の獄卒×孤独の海賊×孤独の妖怪 - おーーーーーー!!!!。 (2017年10月19日 6時) (レス) id: 507f5c40b1 (このIDを非表示/違反報告)
丸干し - ツンデレ! I love ツンデレ!! きょうくん最高!! (2016年12月15日 17時) (レス) id: ca2c405926 (このIDを非表示/違反報告)
カミツレの花(プロフ) - 更新待ってました!これからも楽しみにしていますっ(((o(*゚▽゚*)o))) (2016年11月5日 23時) (レス) id: 5332a3f4a6 (このIDを非表示/違反報告)
桜雫(プロフ) - 1から読まさせていただきました!きょうくんツンデレご馳走様です!!更新カバディしながら待機してます( ºωº )!!! (2016年8月25日 2時) (レス) id: 7a00add657 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/11235/  
作成日時:2016年1月2日 22時

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